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番外編*私からみんなへ* 後編 ページ8

メリオダスside


いきなり登場したAに俺たちは驚く。それぞれの悲鳴をあげてAを見た。



「えっへへ〜びっくりした?」

「したした」

「そっかそっか」



にひひっ、と楽しそうに言うAにも胸が高鳴る。重症だ。いや、もとからか。



「A、あの〜……」

「?あーわかってるよ。ちょっと待ってて〜」



そう言いながらAはトテトテ厨房へ行き、両手に収まらないほどの白い箱を手に戻ってきた。

なにやら甘い香りがする。



「あ?箱なんか食えねーぞ?」

「ホークにはなーし!」

「ごめんなさい中のやつってのはわかるからぁ!!」

「ウソウソっ」



そんなやりとりをしながら机に置き、「私からの贈り物は〜…」と箱の蓋に手をかける。



「これっ!」



パカッと軽い音を立てて、中のお菓子は顔を出す。

それはガトーショコラ。手間暇かけて作ってくれたのか、クリームも生地も彼女の手作りだ。



「すごい!A、君パティシエールになれるよ!!」

「とても美味しそうです!」

「照れるなぁ。それじゃ切り分けるよ」



(名前が切ったのは六等分。その数にキングが首をかしげる。



「ん?それだとAのないよね?」

「え?俺、A、エリザベス、ディアンヌ、バン、キング……ちょうど六人じゃねーか」

「おい俺は!?」

「それ私のじゃなくてホークのだよ」

「A様ぁぁぁ!!」

「大袈裟な」



泣き出すホークを軽く撫でて分けられたガトーショコラは皿に乗る。


ふわりと柔らかい生地にフォークを刺し、迷わず口に運んだ。



「…うま」



思わず声が漏れる。久しぶりに食べた彼女の手料理。しかもお菓子。懐かしい。

クリームとチョコの甘さ。…そしてほろ苦さ。絶妙で繊細で、それでいて発想は大胆。
あぁ、Aの味だ。



そのAは俺たちを他所に、エリザベスからもらった生チョコをもごもごと頬張っていた。



Aにも食べて欲しいし、一緒でいたい。小さな独占欲が現れる。

…よしっ!と心の中で言い、Aの隣に腰かけた。



「A、A」

「ん?なに?」



俺は一口サイズのショコラを彼女の口に持っていく。ポカンとする彼女に、口角を上げて言った、



「はい、あーん」

「へ?い。いいよ!団長食べて?」

「いいからいいから。ほれほーれ」

「う、うん。…あむっ」



頰を染め、小さなガトーショコラをもぐもぐ食べるAに癒される。

あぁ、甘い。


お返しは、もっともっと甘やかそうかな。
苦さなんて、感じないくらいに…な

☆78話☆→←番外編*私からみんなへ* 前編


ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー大罪キャラ

ディアンヌ「ねぇねぇ!ボクと一緒に遊ばない?」


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リオ(プロフ) - リムルさん» いえ!そんなそんな…ありがとうございます!! (2019年7月13日 23時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
リムル - 我より1000000000000000000000倍ぐらい文を書くのが上手! (2019年7月13日 11時) (レス) id: 8728c9d5e2 (このIDを非表示/違反報告)
リムル - 感想:我感動! (2019年7月13日 11時) (レス) id: 8728c9d5e2 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 咲無さん» じゃあこみゅーに移動ね! (2016年6月1日 20時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 咲無さん» おいおい…w わかったよー! (2016年6月1日 17時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リオ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rio1001/  
作成日時:2016年2月7日 20時

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