[メリオダス]消えたもの２ (ページ26)

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☆57話☆ ページ26

貴女side

それから岩の山から誰か出てきた

「グリアモール！！」

あ、さっきエリザベスを閉じ込めてた人。よく見れば聖騎士やってた時にいたわんぱく3人組の1人、グリアモールだ

息を引き取ったベロニカを抱いてる、けれど、瓦礫から魔力で護っていてくれたのか

「俺は聖騎士失格です……あなたを守れと言う、ベロニカ様の最後の頼みを………！！」

「…ありがとう、グリアモール……ずっとベロニカ姉様を思ってくれて……」

エリザベスがグリアモールに背を向け、私を見る

その瞳には、底知れないほどの意志の強さが見えた

「私は…必ず聖騎士を止める」

「あなたはいつの間に……そんなにお強く…」

けれどそんな強がっていても、君の旗は濡れていく。私は何も言わずそれを吹いた

いや、強がりじゃない。エリザベスは本当に強い子だ。だからこそ姉には見せたくない涙
大事な人を失う悲しみは逃れられない。それは誰しもが知っているから

「止めて…見せる……！！」

「……」

グリアモールは、私たちから去っていった
ベロニカを彼女の好きな場所へ連れて行くために

「あいつ、王都に戻る気かね？」

「さぁな。聖騎士も一枚岩じゃねぇみたいだし」

「ンなことよか団ちょ、剣はどした？」

「あ、そういえば！団長剣は！？」

「あ～、とられちまったな」

「軽っ！！」

あれは確か、魔神族を復活させるための鍵。取られたら大変な事になる

「だ、大事なものじゃないんですか！？いいんですか！？」

「全然よくねーよ……事態は深刻だ」

「…っ……」

やっぱり団長の低い声は、少し怖い。急に変わるもんだから、私は戸惑うのだ

「でも…＿＿＿＿＿A！お前が無事ならそれでいいっ！！」

「えっ…？」

そう笑いかける団長に顔中に熱が集まる。なんでだ、仲間として心配するのは当然じゃないか

私はいったい何を意識してるんだ…

「なんだ？照れてんのか？にししっ」

「ち、違うもんっ」

「よしよしよーし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

「ふぁ…っ」

「ふふっ」

私をからかっていた団長が、ほっぺを膨らませたディアンヌのよって上空へぐぃーっ

「ボクは無事じゃなくていいんだ」

「何言ってんだ？お前が無事じゃないわけがないっ！」

団長の鈍感。全くもう…

「俺はむしろ無事じゃねぇ！！」

「ホーク真っ黒……」

「ｸﾝｸﾝ豚肉くいてーな」

「ダイレクトだな！！」

いつものみんなに戻ったみたいだ