[メリオダス]消えたもの２ (ページ32)

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☆63話☆ ページ32

貴女side

思い切り走った。はぁはぁと息が荒い。肺が苦しい。少し辛い

それでも止まることなく私は階段を駆け上がった
エリザベスの眠っている部屋に駆け込み息を整える

バクバクうるさい心臓を。おさえるようにぎゅっと握る。それで治るはずもなく、自分の落ち着きのなさが実感できるだけだ

「はぁ…っ」

頭の中には「やってしまった」という文字。もうわけがわからなくなる。

布団はぬくぬくであったかくて、さらに私の頭を刺激する

勢いてしてしまった。いや、もっと言うなら彼への攻撃

気づいてくれない。気づくわけない。そんなもどかしさを接物と変えただけ
意味はあるけど、まだあれは気持ちそのものじゃない

けとこれでまた一つ実感できたものもある

「大丈夫かな……」

驚いたあの顔を見て不安になる

団長に引かれてないか
避けられないか

団長に、嫌われないか…

自分のやってしまった後悔が次々でてくる
今更すぎるそれはまたもどかしさを生むだけなのに

やらなきゃよかったんじゃないかと言われれば、たぶんそれにすくに頷く
誰だっていきなりキスされたら嫌に決まっているじゃないか。わかっているのに

感情はコントロールできても、理性はできない
この場合、私は後者だ。だから歯止めが効かなかった

避けられたりするのも私はやだな。単純だから。自分の巻いた種なんだねど

…でも、それよりももっと強い気持ちがある

「これで伝わったなら……それはそれでいいかもね…」

言えずに終わるよりはずっといい
そっちの方が嫌だ
だからこそ後悔はあっても損はなかった思う

本当私、団長大好きなんだな
やっと気づけた。確信できた。それだけで嬉しい

「ふわぁ～……」

時計を見れば、短い針は「2」を指していた
通りで眠いわけだ

「…寝よっと」

眠いから思考もはたらかないし
寝る子は育つ、って言うしな。とりあえず寝よう

隣にいるエリザベスにぎゅっと抱きついて目を閉じる。すると意識がふわふわしてきて、これはすぐ落ちるなとわかった

最後に一言残そうか。物語のヒロインのように、君に愛を

「おやすみ。…大好きだよ…“メリオダス”…/」

通じるのはまだまだ先________