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第67話 甘口を欲する ページ20

「……あ、頭痛い…」



熱が上がったのか、体が重くて
頭が割れるように痛む。

こんなに高い熱を出したのは久しぶりで、
体が余計についていかなくなっているのだ。



「あー、ご飯…ご飯食べた…」



体がだるかったため
意識が軽く飛んだ。






「って!!」



うとうとと、気持ち良い気分で寝ている中
思い切り額に衝撃が走った
デコピンをされたのだ。


重たい瞼を開けると、
頬杖をついてニコニコと笑顔の幸村。



「おはよう皐、いつまで寝てるのかな?」



「早く起きなよ。」と、体を起こされた
午前中よりは体が少し軽くなったから熱は下がっただろう。
だが私は、まだ病人だ。



「…なんだよ、体だるいのに。」


「だるい?眠いの間違いじゃないの?
いつもバカみたいにはしゃいでるから。」



笑みを浮かべて言ってくる幸村に
嫌味を言うためにわざわざ来たのか、と、
ため息をついた。



「オレに向かってため息?
前から思ってたけど、随分と偉そうだよね、
ため息つきたいの、俺、なんだけど?」



つんつん、と頬をつついてくるが
効果音的には「グサッ」のほうが正しいと言える。
明らか、強めに頬に指を突き刺してくる。



「お前何しに来たんだよ…」



正直、帰って欲しい。という目で
幸村を見ると、目を丸くする。



「何って、お粥食べさせに来たんだけど?
はい、あーんして。」



「〜あぢいっ!!!」



幸村は何処から持ってきたのか
小さめのお粥の入った鍋を出し、
口を半開きにさせた皐の口に
お粥を突っ込んだのだ。



しかも、激アツ。



まさに魔王様。
行動が鬼畜すぎる。





「お粥食べられないなんてこと、ないよね?
ほら、早くこっち向きなよ。」




幸村は嬉しそうな顔で
激アツのお粥を持ち、構えている。



皐は、軽く火傷した部分が痛くて
ヒリヒリと痛みのやまない口元を押さえて
幸村を睨みつけた。



「その顔、間抜けだからやめたら?
それに早く、お粥食べてくれないかな。
俺、皐に構っているほど、
暇じゃないんだよね?」



「……」





やっぱり思うのですが、
私最近、こいつに舐められ過ぎじゃないですかね?





毎回毎回、罵声を浴びせられる気がするんですけど
恋人をディスる人っていますか?





いるならぜひ、
私と語り合おうよ。





「なんでこんな人と付き合ったんだろうって
時々思うことない?」



と。

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設定タグ:テニスの王子様 , 幸村精市 , 仁王雅治   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者ホームページ:なし  作成日時:2015年10月19日 17時

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