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第62話 しょげた顔 ページ15

「ちょ、ちょっ………はなっ…」



仁王は一向に離してくれそうにはない
私は、酸素がなくて、苦しくて、
抵抗することが、できない状態だった。




「だっはあー…」




仁王は唇を離すと、
ワイシャツで、私の口を拭く
小さく、消え入りそうな声で「ごめん」と呟いて。




「にお」


「すまん、今は一人でいたいんじゃ」


「人にちゅーしておいて、
何だその態度は。」




仁王の頭に軽くチョップを入れると
「痛い」と、笑った顔をのぞかせた


多分だけど、
無理には笑ってない。




「におー、ごめん。」


「いいんじゃ、分かりきったことだったしな。」


「ごめん、そういう意味じゃない…」




告白のことの、「ごめん」でもあった
だけれど、私の言いった「ごめん」は



「ははっ、なんとなく分かった。
ほれ、さっさと教室に戻りんしゃい。」



「うん。」




私は扉のところまで走り、屋上を出る際に、
仁王の顔を見ると、普段通りの、変わらない仁王だった。




「さて、教室まで戻るとするか。」









「_____と。」




教室付近に来ると
騒がしいクラスメイトの声がする

皐は一度自分の服装を確認して
服が破れていないかをチェック




「よし、これで………え、幸村?!」



突然反対方向に腕を引かれ
階段までお姫様抱っこをされて
そのまま歩く、



どこへ行くのかと先を見ると「保健室」
という場所








幸村は少々保健室の扉を開けると
皐をベットに投げ、その上に跨る

勿論、瞳には殺意が宿っていて…




なにをする気か、と思い、
じっと見ていた




「え、ちょ、幸村?!」



突然ネクタイを外し始めたので
慌てて体を起き上がらせると
肩を押されて、唇が重なった。



「ぐえっ…」



抵抗しようとして出した手は
頭の上で押さえつけられ、
幸村のキスを受け入れるしかなかった。



べつにイヤというわけでは無く、
ただ、顔の見えない幸村が怖かった




「んがあ…」





ふざけんなよ!!
このクソガキが!!



受験生をナメるなああ!!!




これといって、
受験生は関係ない。





右手に力を込めて、
腹の辺りにパンチをかました。

幸村は驚いて離れ、
目を瞬かせた。



「おま」


「はわわっ、この表情はヤバイわ〜」



隣のベットから凄く聴き慣れた声が
耳に入ってきた。

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設定タグ:テニスの王子様 , 幸村精市 , 仁王雅治   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者ホームページ:なし  作成日時:2015年10月19日 17時

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