問題児の高校生活２【幸村精市】 (ページ13)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:42,286 hit

第６０話　ドクターページ13

高等部の屋上は、
日当たりも良く、風が遮れる場所もある
最高の場所だった

だがしかし、
私が高校３年に上がった時には、
そんな風景、どこにも見当たらなくなっていた。

「屋上行かねーの？」

「だって屋上、寝るスペースがない…
どこぞの誰かの仕業で、
お花が大量に咲いてるんだよ…」

「あー、お前の彼氏という名のご主人か。」

雪音はわざと大きな声で言った為
教室にいた女子が、一斉にこちらを向く。

「雪音？！」

慌てて口を抑えようとするが
身長的に届かないため
雪音はそれをいいことに、言葉を続けた。

「あれだろー？
すぐ勘違いしてすぐヤキモチ焼いて
ついでに言えば、直ぐに押し倒すやつだろ？
そんなヤツのどこがいいんだよ。」

「…」

私は黙り込んでしまった。
いつもの様に、悪ノリをしようとたが、
私が幸村に対して何か言ってたなんて、
１０分もすれば、校内中に知れ渡る。

「ふ、ふふふ…」

「あ、皐が泣き笑いしてる！」

「相当図星だったんだ…」

「と言うよりも、
幸村くんの、意外な一面知れたね！」

クラスメイトはのんきに
わいわいキャッキャと始めた。

「あははは!!!」

「笑うな駿河！！」

籠に入っていたボールを駿河に向かって投げる
駿河は、大笑いしながら、
「ごめんなさーい。」と謝ってくるが、
全然心がこもっていない。

「やーでも、意外でした！
幸村くんて看護師さん好きなんて！
じゃあナースコスプレも好きなんですかね？」

キラキラと目を輝かし、
不純な瞳でこちらを見てくる。

「私は絶対にやらないからな！」

「ええーお願いしますよ！
幸村くん、ナースコス好きって先輩言ったんじゃないですか！」

「はあ？！
私は、ただ、幸村が看護師が好きだって
話をしただけで、コスプレまでは……駿河？」

駿河の目は、一点を見つめていた
固く口を閉じ、まるで石になったかのように。

その様子を見て、私も大方予想は付いた。
見てはいけない、後ろは振り返ってはいけない、と。

「へえ…誰が看護師好きだって？」

「皐先輩がね～
私に教えてくれたんだ！
ついでに、幸村くんのマニアックな好みもね！」

駿河は皐にウインクをすると
「じゃあね！」と、そそくさとその場から立ち去る。