第４８話 回転が速い者 ページ1
「…………先生、
英語とはなんですか？なぜ学ぶんですか？！
私将来外国にもスツワーですにも」
先生の胸ぐらを掴んで尋ねると
丸めた教科書で頭を叩かれた
「何を今更言ってる！
それとな、スチュワーデスだ！！
スツワーですってなんだ！！」
「日本語ですけど？」
「何半ギレしてんだお前は。」
口答えすると、
今度は机を叩く教師
これは訴えても良いレベルだと思う
毎度毎度、私の頭を叩くし
「おい斎藤、お前また碌でもない事考えてたろ。
手が止まってる、さっさと問題を解け！」
「へーへー分かってます。」
「斎藤、お前これちゃんとやらなかったら
進級できなくするからな。
全く…数学はがんばれたのに、
なんで英語はできないんだか…」
担任は深くため息をつくと
前の席に腰を下ろした
「ほんと、ほんと。」
「お前の話をしてるんだよ！
あ、そういえば斎藤、お前呼ばれてたぞ。」
桜野は教室の外を指さした
皐は首を動かして、外を見ようとするが
誰かいるような気配もない
「先生、疲れてる？
大丈夫、きっと寝たいお年頃なんですよね？！」
「誰が寝たいお年頃だ！
お前は俺を殺そうとしてんのか？！
ったく、直接呼んだほうが早いな。」
担任はまた溜息をつくと
「おーい」と大きな声を出した
そして一つの影が
教室に入ってきた
「え…………何故に？！」
「あいつがお前と知り合いだって言っててな。
折角だから、あの秀才な後輩にでも
教えてもらえ。」
「ちょっ…桜野！！ハゲ！ゴリラ！！」
「ハゲてるがゴリラじゃない！！
そのプリント、今日提出な。」
担任は、忙しい忙しいと言って
職員室に早足で向かってしまった
取り残された私と
そいつは、視線が合う
「ふふっ、本当に補習になるなんてね。」
「そんなに嬉しそうな顔してんじゃねー
このドSの腹黒男！」
プリントをグシャグシャに丸めて
ゴミ箱へと投げた
椅子を引いて頭の上で手を組む
大きな欠伸を一つして、外を見る
「ああ、眠い。」
机の上を見たくなくて
視線を逸らしたままでいると
「じゃあ、デートはどこへ行こう。」
「はあ？！」
突然変なことを言われ
声の主の方を向いた
「満点以外は俺とデートだろう？
どこへ行こうか？」
「んなもん覚えてないし！
お前とデートなんてしたくない！！」
やってられるかと思って
鞄を手に持った
が、
「どこへ行こうか？」
地獄行きですね
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作者ホームページ：なし 作成日時：2015年10月19日 17時
