お世話７日目 ページ8
「不二くん…あそこ、見てみいや。」
白石はいつの間にかドア付近に移動している
皐を指さした
「フフッ、嫉妬してるのかな？」
「多分そうやろなあ。
このゲーム終わってみんな帰ったら、
めっちゃ気まずくなるで？」
「あ…また誰かお客さんだ。」
再びドアがノックされ
今度は自分で扉を開けた
「今ちょっと良いか？」
「徳川さんっ!！」
このイラつく空気を壊してくれるのは、
やっぱり徳川さんしかいないよね!！
「俺もお」
「お前は呼んでない。
とっとと、日本へ帰れ。」
顔を覗かせた種子島を
手で追い払うように振る
「用事ってなんですか？」
「ああ、少し…時間あるか？」
「あ、全然ありますよ！」
ああ、やっぱり徳川さんは大人！！
私と同い年とは思えないこの雰囲気!！
「すべてが素敵です。」
「…どうかしたのか。」
真顔で言ったため、
徳川に熱があるのかと勘違いをされる
「熱ですか？
はい！ありますよ〜徳川さん
もう、胸の奥が暑くて大変なんです！」
「すごい変化じゃプリッ。」
「皐が徳川カズヤに対して
恋心を抱いている確率８９%」
なかなか100%が出ない
皐の思考回路
「じゃあ、残りの１１%は何なんだ？
ア〜ン？」
柳は少し考え
皐をじっと見る
「そのうちの７%は憧れ。
残りの４%は兄のような存在。」
と言うよりも、
唯一の心の拠り所。
なのかもしれないな
徳川が来て、先ほどの苛つきが
無くなったかのような皐
周りの人から見れば、
ただ皐がデレッデレなだけ
「お前がいなくなると聞いてたが、
やっぱりここに来たんだな。」
「はい！
徳川さんに会いたくて、
夢かな"っ……たい！！」
頭の上に強烈なチョップが落ちてきた
しかも、つむじに思い切り直撃
あまりの痛さに涙目になり
チョップをした相手を
睨み付ける
「なに、すんだよっ……！
幸村あっ！！」
幸村は冷めた目で皐を見下ろし
目だけが全く笑っていない顔で
「トランプ、引いてくれないかな？」
「普通に言えばいいだろう？！」
幸村の手から乱雑にカードを取り
不二のところまで歩く
「あ、ババが回ってきたよ。」
「なんでそんな嬉しそうなんだよ。」
頭をさすり
なぜかものすごく嬉しそうな
不二を横目で見つめた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 342人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者ホームページ：なし 作成日時：2015年8月28日 20時
