お世話３３日目 ページ34
「幸村君、出て行きましたね。
あの方と何を話すんです？」
木手は私に目線を送るが
私は見なかったことにした
「聞いてますか？」
「…なぜ私に聞く？
知らないよ、そんなの。」
「おい木手、しつこい男は嫌われるぜ？」
跡部なりの配慮か
木手の止めに入る
皐は置いてあった雑誌を手に取り
読み始める
「しらばっくれるつもりですか？
貴方、先ほどの人のお姉さんなんでしょう？」
数人「えっ？」と
驚いた声が上がる
私は木手の顔を見て
何も言わずに睨んだ
「怖い顔ですね。
貴方一体何を隠しているんですか？
なんであな」
「はい、そこでストップだよ。」
ニッコリと笑顔で
木手の肩に手を置く入江
「人には聞かれたくないこともあるんだよ。
さ、今日はここで解散にしようか。」
とりあえず、
今日の話し合いはここまでとなった
あすの朝早くに、
練習のにて意図大会に向けて
詳しく話すことになるだろう
「皐ほな行くで？」
「うん。」
「あ、ちょっと待って白石くん。
皐と少しお話させてもらっても良いかな？」
白石は入江の顔を見て頷く
皐は入江の後に付いていき、
部屋の扉が閉じる
白石はその扉をジッと見つめると、
何か思いついたのか、早足で部屋に戻る
「不二くん、ちょっとええか？」
「どうしたんだい白石。
そんなに慌てて。」
白石は不二の目の前に座る
「白石、どう」
「不二くん何を知ってるんや？」
不二は首を傾げる
何となく白石の聞きたいことはわかった
だから、
気が付いても知らないふりを続ける
「僕が何を知っているって？」
「皐とあの子のことや。
不二くん、絶対気づいてると思ってな。」
白石の顔を見ると、
すごく真剣な表情だった
白石は勘が鋭いね
しかも、よりによって僕に聞いてくるなんて
僕は窓の外を見る
「ねえ、白石…
姉妹間の嫉妬ってどうしてこうも大きいものかな？」
「それって…皐と葉月のこと言うとるのか？」
「うん、そうだよ。
あの二人のこと。」
白石は薄々気づいていたのか、
驚きはしない
寧ろ、冷静だ
「白石なら、
この事秘密にしてくれるよね？」
皐…
悪いけど、
同室の人には話しても良いよね？
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作者ホームページ：なし 作成日時：2015年8月28日 20時
