お世話３２日目 ページ33
「…なーんか、
すごいことになってるけど？」
ソファに座り、
呆れながらその光景を見ていた
その光景とは、
同学年たちに散々な目に合わされている大石
「大石意外とくじ運悪かったんだね。」
「くじ運ええ方やろ？
初戦から、あの手塚くん率いる
ドイツと戦えるんやから。」
今日の抽選で、
平等院の代わりに大石がくじを引くと
まさかのドイツとの試合
それを聞いた中学生達が、
大石たちに不満をぶちまけている
「…あ、仁王が大石にかん」
「言わなくて良い。」
徳川は溜息を付きで
皐の口を押さえた
「どうしても実況したくなるんだよね？
心の声だって、ダダ漏れだし。」
「入江くん…嫌味に聞こえる。」
ジト目で入江くんを見ると
「そんなことないよ？」笑顔で返された
「嫌味かどうかわからないなんて、
やっぱり君は少し…いや、かなり馬鹿だね。」
やけに真剣な表情で言ってきた幸村に
輪ゴムを飛ばした
勿論、見事命中
「あーもー二人共。
なんですぐに言い合いになるんや？
もっと気、沈めよか。」
白石が慌てて二人の間に
割って入り、空気を戻そうとする
「白石だって見ただろ？
こいつのチョー真面目な顔！
イラつく！本気で許すまじ！」
「君は本格的に
日本語を勉強したほうが良いと思う。」
「だからその顔！
その顔やめろ！！」
今にも大げんかになりそうなため
徳川と白石二人で止めに入る
「皐お前はもう少し大人になれ。」
「だって幸村が！」
「だってじゃないだろう？
はあー…」
まるで同い年とは思えない
子供っぽいというか、ただの短気である
「あの二人、同年代だなんて思えないんスけど…」
「どー見たって、徳川さんの方が上だろい？」
「まったく
最近の女性はああもバカなんですか？」
皐本人に聞こえてないため
ズバズバという３人
そのとき、
部屋のノックされる音がした
「誰です？こんな時間に。」
木手が扉を開けると、
そこには葉月が立っていた
「遅くにすいません…
精市、呼んでもらえますか？」
「わかった、今すぐ行くよ。」
幸村は席を立ち、部屋を出た
扉が閉まると、
騒がしかった部屋も一気に静まり返った
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作者ホームページ：なし 作成日時：2015年8月28日 20時
