お世話２０日目 ページ21
「君はいつだってずるいじゃないか。」
目の前には、幸村
背中はふかふかのベット
長い睫毛と
少しウェーブが掛かった髪が揺れる
手首を握る力が、
少し強くなった
…どうしようか
幸村をどうやって退けようか考えていると
こちらの考えが分かったのか、
足をうごかせない様にさせられた
「幸村？」
「なんだい？
俺は何を言われても、
退く気はないよ？」
「まだ何も言ってないじゃん…。」
幸村が機嫌が悪いのは、
恐らく今日の昼の事
皐をいくら呼んでも、
徳川にベタベタで、離れようとしなかった
その後も、
ずっと一緒にいたからだ
「俺は随分と我慢したんだよ？
真田には、色恋するなって言われたけど。」
「真田が顔色悪かったのは、
お前のせいかよ。」
「君は口を開けば、徳川さん。
なんで俺の名前が出ないのかな。」
右手から手が離れるた
空いたその手は、
唇をそっとなぞる
「……ねえ？」
その手はゆっくりと
首まで下りてくる
そのまま鎖骨をなぞる
すると今度は、首まで行き
上下に移動させる
「俺は君が好きだけど、
君から好きとは言われないなあ。」
「幸村、やめっ……」
擽ったくて、抵抗するが
やはりそれは通用しない
幸村は意地悪く、
指先で弄るだけ
「早くしないと、
白石や不二が帰ってくるけど、
君はこのままが良い？」
クスクスと笑いながら、
目は「早く」と急かしている
「俺ら、どないしよか。」
「流石にこれは
お邪魔できないよね？」
白石と不二は
外で待機していた
「あれ？二人して何してるんだろい？」
「部屋にゴキブリでも出たんスか？
それなら俺が退治しますよ！」
赤也の勘違いに首を振り、
簡潔に理由を言った
「詳しい事情は言えへんけど、
ちょっと色々あるんや。」
「ま、なんとなく分かったぜ。
今二人とも暇だろい？
じゃあ、軽く体動かそうぜ！」
丸井は面白いものを見つけたらしく、
何かの素振りをしている
「それ面白そうだね。
一般客でも出来る？」
「もちろんだろい！
じゃあ、行こうぜ！」
「俺はちょっと用事があるんで、
遠慮しとくっす！」
赤也は部屋に戻ったので、
3人は下の階まで降りるため、
エレバーターに乗った
「……誰もいねえよな。」
3人が去ると赤也は部屋から出て、
静かに廊下を歩き
ある部屋に忍び寄る
「やっぱ気になんだよな。」
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作者ホームページ：なし 作成日時：2015年8月28日 20時
