茶店でレスカ、ご一緒に。2

70 ページ23

朝今井さんに会ってから、

ずっと今井さんのことが頭から離れなかった。



今井さん、落ち込んでないかな……


なんて。



別に私のことで落ち込まないわよ…




それで、

放課後喫茶店で三橋くんとお茶して、

そのまま家に帰って、

お風呂掃除をして、

夕飯を待っている。



でも、ずーっと今井さんのことを考えてる。


心配だなぁ、って。



そんなことを考えていれば、




「Aーーー、お、お客さんよ…！」




なんて、お母さんに呼ばれた。





こんな時間に誰だろ……



階段を降りてみれば、引きつった笑みのお母さん。



そして玄関には金髪の人と普通な人。



三橋くんと………





…ん……？






『えっ…と………』



「いとーだよいとう！！！」


「イデッ」



三橋くんが普通な人の肩をバシバシ叩く。



いとう……？




えっ、伊藤くん！！！？？！





『え、伊藤くん…』


私が不思議そうな顔をすると、


「…風呂入っちまったんだよ」



と おずおず と教えてくれた。



『それで、どうしたの？こんな時間に……』



何故18時にもなってうちに遊びに来るのだろう。




私が聞くと、

二人は顔を見合わせ、深刻そうに切り出した。





「Aちゃん、落ち着いて聞いてくれ。」





伊藤くんがいう。







「……谷川が…搬送された」





『……え…？』









搬送……？





『ど、どこに……』





「病院……」



なんで……




『…そんな、谷川くん…どうして……っ』




理解出来ない。


三橋くんが重い口を開く。



「商店街で…谷川が倒れてんのを明美ちゃんが見かけたらしくて……それで、俺たちに連絡くれて」


「そん時、今井が谷川を見つけたらしくて、血相変えてどっか行ったって…」



今井さん、もしかして……



『三橋くん、伊藤くん…行こう』



「Aちゃん…」



「まぁ、俺は最初っからそのつもりだけど？」


三橋くんがそんなことをいう。


私も行かなきゃ気が済まない…



『…お母さん、ちょっと私出かけてくるね。夕飯は…とっといて…！』



振り返ってそう伝えると、

お母さんは止めようとした。


でも私の顔を見て、その言葉を飲み込み頷いてくれた。



「娘さん、お借りします。」

「全力で守るんで、安心してくださいネッ」



伊藤くんに続けて三橋くんもお母さんにいう。



急いで靴を履いて、扉を開けた。

71→←69 imai

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す