検索窓
今日:10 hit、昨日:6 hit、合計:52,663 hit

58 ページ11

『お母さんおはよ〜』




今日もいつも通りの朝。


伸びをしながら階段を降り、
リビングにいる母に声をかける。



すると母は急いで私の元に駆け寄ってきた。



「ちょっとA!!」


『え、何?どうかしたの…?』




以前にもこんなやりとりしたような……



しかし今日の母はなんだか怒っているようで。

不安と怒りに満ちた母に圧倒されながら、
何があったのか話を聞くことにした。



「あんた本当に悪い連中とつるんでるんじゃないでしょうね!?またうちの前に……ってコラ!!!!」



うちの前に……?



もしかして……!?






私は期待に胸を膨らませ、二階に駆け上がった。








『今井さん!!!』







私は自分の部屋の窓から顔を出し叫ぶ。





しかし、

私の期待とはまるっきり違う、

見慣れた金髪が見えた。






あ…三橋くん……




私が叫んだのが聞こえたのか、驚いた顔でこちらをみる三橋くん。


少し気まずそうな顔をしながらも手を振ってくれる。



三橋くん、きてくれたんだ……



…せっかくきてくれたのに、
今井さんの名前を呼んでしまうなんて……





申し訳なくなり少し控えめに手を振り返し、窓から顔を引っ込める。









あの日を境に、

今井さんは私を迎えにきてくれなくなった。




その前から、
忙しくてなかなか迎えには来れなくなってたんだけど、3日に1回は必ずきてくれていたのに…




それもまるっきりなくなった。






だから、お母さんの言葉でもしかしたらと期待していた。








馬鹿だな…



期待してしまう自分が嫌で奥歯を噛み締める。








私の気分はすっかり落ちこんでしまい、
肩を落としながら階段を降りる。




「ねえA、あなた本当に悪い連中とつるんでないでしょうね?今日は金髪の不良が…って、どうしたのよ…?」



先程まで元気だったのに、急に落ち込んで降りてきた私の顔を心配そうに見つめる母。




『な、なんでもない…!あれ、軟高の友達だから!』



無理矢理笑った引きつった笑顔に母は何も言わずに私を見る。



「そ、そう…これ、お弁当…」



『う、うん…ありがとう』



そういって母からお弁当を受け取り、
支度をするべく二階に戻った。

59→←57



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
457人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

そらは - これの続きは無いのですか😭 (2022年12月7日 7時) (レス) @page31 id: a8208b3b07 (このIDを非表示/違反報告)
アズ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2019年8月10日 17時) (レス) id: fa1c49ec5b (このIDを非表示/違反報告)
すりそ(プロフ) - レスカさん» レスカさんこんばんは!体調崩されているのですね><実は私も最近風邪気味です^^;体調を崩しやすい季節ですから、体調管理を徹底しなければ…ですね笑嬉しいお言葉ありがとうございます!応援を励みに頑張ります! (2019年1月6日 1時) (レス) id: 331790178d (このIDを非表示/違反報告)
レスカ - どうも!またまた、レスカです!今、風邪をひいているのですが、薬よりも、この小説を読む方がとても元気になれます。前にも書きましたが、これからも頑張ってください!!!!! (2019年1月4日 9時) (レス) id: 27a3907972 (このIDを非表示/違反報告)
すりそ(プロフ) - みかどさん» 初めまして、コメントありがとうございます!今井さん、結構お茶目でやらかしますからね笑この小説がこんなにのほほんとしているのは今井さんのおかげです!今後もぜひよろしくおねがいします^^ (2019年1月1日 2時) (レス) id: 331790178d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すりそ | 作成日時:2018年12月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。