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侑李-side


ガタガタ震えて、


「ぃやっ、やめてっ!」


取り乱して、泣き始めた僕に、山田さんは、


涼「侑李が嫌がることは、なにもしないよ。」


ただ、ずっと、


涼「だいじょうぶだよ。」


魔法の言葉を囁いて、傍にいてくれたんだ。


山田さんの言葉が、僕の凍った心をゆっくりと溶かしていく。






この人は、あの人たちとは、違う…かも。


一番、気になっていることを聞いてみる。


「りょ、すけさんは、どうして…、ぼくを、好きになったの?」


涼「んー、一番最初は、顔? かわいい子だなって。一目惚れだったし。」


頭をぽりぽりとかいて、


涼「女の子だと思ってたし…。」


そうやって、顔って認めちゃうところ、潔くて、山田さんらしいな。


そう思ったら、笑えてきた。


「ぼく、女の子じゃないし。」


涼「あ、でも、今は違うよ。一緒にいて、侑李のこと、知れば知るほど、好きだなって。真面目に努力してるところとか、周りをよく見て考えてるところとか。うまく言えないけど、全部ひっくるめて、侑李が好きだよ。」






この人なら、僕のこと、受け止めてくれるかも。


だから、ちゃんと話したいって、思ったんだ。


「涼介さん、前に、聞いたよね。駅前でぶつかったとき、何で泣いてたのって。」


涼「あ、聞いたね。でも、答えたくなかったら、ムリに言わなくていいんだよ。」


「んーん、涼介さんに、聞いてほしいの。」






あの日、先輩に呼び出されて、『かわいいからって、調子に乗るな。』って言われたこと。


知らない男の人に襲われかけたこと。


無理矢理、服を脱がされて、すごく怖かったこと。


僕は、男なのに、女の子みたいな外見にコンプレックスを持っていること。






涼「そんなことがあったんだ…。教えてくれて、ありがとう。」


じっと、考えていた山田さんが、


涼「ねぇ、侑李に触っても…、抱きしめても、いい?」


穏やかな口調で聞いてくる。


山田さんは、僕の嫌がることは、絶対にしないから。


きっと、大丈夫。


自分に言い聞かせて、こくっと頷いた。


涼「ありがと。」


ふわっと、笑顔になって、遠慮がちに僕の背中に回された腕。


優しく抱きよせられ、あっという間に山田さんの腕の中。


身体に力が入って、強ばる。


涼「ゆうり、だいじょうぶ。」


「…ッ。」


涼「だいじょうぶだよ。」


目頭が熱くなって、ぶわっと涙が溢れ出した。




あと少しなのに、入らない… -_-;

…→←…



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はなん(プロフ) - 楽しみにしてます! (2020年7月24日 22時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - はなんさん» はなんさん、コメントありがとうございます。 次は、ステイホーム期間中のお話を考えてます。 (2020年7月24日 12時) (レス) id: d0278d48e0 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 久しぶりに、お話見れて 嬉しかったです!! つぎも、楽しみにしています! (2020年7月23日 23時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - みるく餅さん» みるく餅さん、コメント、ありがとうございます。 (2020年3月7日 11時) (レス) id: d0278d48e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - mui☆さん» 喘息持ちで、過呼吸っぽい感じなら、かけそうです。病気の知識、あんまりないので、できる範囲で、書かせてもらいますね!  (2020年3月7日 11時) (レス) id: d0278d48e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆう | 作者ホームページ:http//  
作成日時:2019年12月27日 13時

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