Chau＃(ymcn)

キ・セ・キ(3) ページ13

涼介-side


デートは、もっぱら俺の家で。


まぁ、デートって思ってるのは、俺だけなのかもしれないけど…。


本当は、遊園地とか、ショッピングとか、知念くんと二人で行けたらいいなって思うけど、俺と一緒にいることで、迷惑かけるかもしれないって思うと、慎重になるんだ。


逆に言えば、それだけ、知念くんのこと、大切にしたいって思ってるんだけどね。


知念くんもインドア派みたいだし、二人でひたすらゲームをして過ごしているんだ。


あ、もちろん、毎回『好きだよ。』って、伝えてるんだけど、知念くんには、うまく交わされてます。


だけど、俺のこと嫌いだったら、家に来て、二人きりになったりしないでしょ。


もしかして、お姉さんのこと気にしてるのかな。


俺のファンだって言ってたし。


弟が俺と付き合ってる、それ以前に家に遊びにいく仲だって知ったら、ビックリするだろうしね。


今日も、知念くんが遊びに来るんだけど、土日と俺のオフが重なって、初のお泊まり。


こんな嬉しいことってある？






夕ごはんは、知念くんの大好物の餃子。


にんにくとかニラとか匂いの気になる食材は、入ってないんだよ。


何でって？


そりゃ、下心ありありだかんね。


侑「山田さん、この餃子、おいしいです。」


口一杯に餃子をほおばって、おいしそうに食べる知念くんは、かわいいんだけど…、


「ねぇ、その…、そろそろ山田さん呼び、何とかならないかな…。」


侑「え、でも…。」


「俺も、ゆーりって呼ぶからさ、名前で呼んでほしいな。」


困った表情になった知念くんが、


侑「さすがに呼び捨ては、できないんで。」


少し頬を赤くして、上目遣いで、


侑「りょうすけ…、さん。」


！！


どうしよう、破壊力 抜群なんですけど。


心臓が、バクバクいってる。


顔がにやけてしまう。


侑「その顔、もう、アイドルの顔じゃないね。ファンの子が見たら、ショック受けるやつだよ。」


「うるさいよ！」


たまに毒舌になる知念くんも、だんだん心を許してくれている証拠で、嬉しかったりするんだ。

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