Part3-3 ページ31
傭兵SIDE
俺はナワーブ=サベダー。元グルカ兵だ。
グルカ兵を辞めた後、自由傭兵として働いていた。
その時、仲間だった奴らと殺し合った事もあって良い思い出など全くなかった。
仲間を殺したことに対する罪悪感でいっぱいだった。
招待状をもらって、誰かの為に役に立てるのならそれも少しは薄れるだろうかと思い、招待を受けた。
だがこの荘園に来て罪悪感が一層深まった。
使用人の1人、獣人の男を見て、過去に依頼された獣人の捕獲の際の地獄を思い出したからだ。
俺にとっての地獄じゃ無い。そこでの俺が獣人にとっては悪魔以外の何者でも無いという話だ。
女や子供を檻に入れて歯向かうやつは殺して依頼主に渡す。
その後なんて知った事じゃねえ、とその時は思っていた。
大方奴 隷にでもされるんだろ。
だが俺に依頼した男は特殊で、その日のうちに皆殺しにした。
気分が乗らないからと。
当時の俺は、俺のせいじゃない、殺した男が悪いと思い込んだ。
そうでなければこの仕事をやって行けない。
そうやって罪から目を背けた挙句俺は壊れた。
傭兵「きっとあいつも狩人が憎いんだろうな」
猪をつれた男が話しかけていたので扉を半開きにして荷物を玄関に置いた。
盗み聞きなんてまさしく悪人のやることだが、俺は面と向かって話す資格もないし話しかけるつもりも無い。
あっちだって狩人と仲良くなろうなんざ思ってないだろうしな。
野人と獣人の会話が、直接自分に言ってるわけじゃないと分かっていても不安だった。
俺みたいなのに対する恨み言か、卑怯な人間の話か、裏切った仲間の話か。
勝手に想像して自分に重ねて勝手に後悔の念に押し潰されそうになっていたとき、ふと気づいた。
喋ってるのは野人の方だけだということに。
少し覗いてみるが獣人もいるのに、獣人の方は喋っていない。
案内した時のようにメモに書いてるのだろうか。
ったく面倒な奴だな、そんなに客人と話したくないのか？
傭兵「…！？」
少し身を乗り出すと獣人と目が合った。
しまったと思い扉を閉めたが、多分気づかれているだろう。
傭兵(変なところで信用失うようなことしちまった)
ちょっとまて。なんであいつの信用を得ようとしてんだ？
別にあいつに疑われたって、嫌われたってこの荘園から追い出されるわけじゃ無いだろ。
なのに…
傭兵「あの目に睨まれたらきっと俺は立ち直れなくなる気がする」
そう思わせるほど、あの獣人の瞳の碧は澄んでいた。
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ひまわり(プロフ) - 自分も読み直して分かりづらかった箇所だったので一部治させて頂きました。ご指摘いただいたＭＡＲＥさん本当にありがとうございました！ (2021年3月14日 11時) (
レス) id: cb9667eabc (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ＭＡＲＥさんありがとうございます！！！！見直しておきます！！！！！！！！！！！ (2021年3月14日 11時) (レス) id: cb9667eabc (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 演出でしたら申し訳無いのですが5-4の夢主君のセリフに誤字が御座います。御確認お願い致します (2021年3月13日 18時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 復活せし道端の牛肉さんこんなにも嬉しいコメありがとうございます！素敵って言われたので調子乗っちゃいますねｗ今日はたくさん更新します！本当にありがとう！！とても嬉しいです！ (2020年5月22日 19時) (レス) id: cb9667eabc (このIDを非表示/違反報告)
復活せし道端の牛肉 - これからも頑張ってください。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: b620562166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり | 作成日時：2020年3月25日 11時
