34 ページ34
『さて、そろそろ折り返しますか』
走るのに夢中で、いつもの公園くらいまで来てしまった。
あんまり遅くなってバレても嫌だし、さっさと返ろう。
そう思って公園をUターンしていると、
「ねえ」
と、後ろから声をかけられた。
振り向いてみると、知らないおじさん。
ジャージを着ているから、ランニング中だろうか。
『どうしたんですか？』
「どうしたもこうしたも、僕に会いに来てくれたんでしょ？」
『………はい？』
ニヤニヤしながら、いきなりそんなことを言い出すおじさん。
僕に会いに？なんで？
『…どこかでお会いしましたっけ？』
「ちょっと！冗談やめてよ！」
ずいっと寄ってくるおじさんに、思わず後ずさりする。
「毎朝ここ走ってるよね？僕ずっと君のこと見てたんだよ。毎朝えらいなぁって。気づいてたんじゃない？」
な、何言ってるんだこの人。
ちょっとおかしい人なのかな。
『あの』
「でも最近雨で会えてなくて本当に寂しかったんだよ！なのにたまたま外に出たら君に会えるなんて！！やっぱり運命だと思うんだ」
意味のわからないことを言い続けるおじさん。
怖い。
これは逃げるしかない。
と、直感的に思った。
『すみません、人違いだと思います』
私がそう言うと、ニヤニヤしていたおじさんが、急にこっちに近づいてきて
「人違いなわけないでしょ、君だって毎朝僕に会うためにここにわざわざ来てたくせに！」
『わ、離してください！！』
肩を掴まれて、壁に追い込まれる。
抵抗しようとしたけど、怖くて体が動かない。
………キモオジなんかに負けてたまるか。
『あんたみたいなおじさんに会いたいなんて思うわけないでしょ！！勘違いやめてよ！！』
それが頭にきたのか、みるみる顔を赤くして
顔に大きな衝撃が走った。
「思わせぶりな態度とるなんて、大人を舐めるなよ！！」
私の顔の近くで大声を出すおじさん。
頰の痛みで、自分が殴られたことに気づいた。
怖い。痛い。
この人、怒らせちゃいけない人だった。
私これから何されるんだろう、
もう何を言われているのか理解できない中、オッパの言う事を聞いていたら良かったな、なんて思う。
怖い、助けて
恐怖で、声が出ない。
オッパ、誰か、助けて
誰か……！
もうだめだ、と思ったとき、私の目の前のおじさんが急に視界から消えた。
jh「おい！何してんだよ！！！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よしよしちゃん(プロフ) - クパン推しのCARATさん» そう言ってくださり本当に嬉しいです！ありがとうございますm(_ _)m (1月9日 3時) (
レス) id: 86a358a3c4 (このIDを非表示/違反報告)
よしよしちゃん(プロフ) - はにちゃんさん» わー！嬉しいお言葉ありがとうございます！！続きどんどん書いていきますね💕 (1月9日 3時) (レス) id: 86a358a3c4 (このIDを非表示/違反報告)
クパン推しのCARAT - いつも楽しみにしてます！これからも頑張ってください！ (1月8日 23時) (レス) @page34 id: f10a1613a9 (このIDを非表示/違反報告)
はにちゃん - 最高すぎる！続きめっちゃ気になります！楽しみに待ってます (1月8日 22時) (レス) @page34 id: dc1bc824b8 (このIDを非表示/違反報告)
よしよしちゃん(プロフ) - 棚からぼたもちさん» すみません💦一度外したのですが、こちらの不注意でした。ご指摘ありがとうございます。 (1月7日 23時) (レス) id: 86a358a3c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yo | 作成日時：2023年12月25日 3時
