青い恋 (ページ42)

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【ジフンside】

カバンにプリキュアのストラップをつけているのに気づいたときから、ずっと話してみたいと思っていた。

でもこいつはずっと俺のことを怖がっていて、なかなか話すチャンスがなかった。大方、目つきが怖いとか思っているんだろう。愛想よくするのは苦手なので仕方ない。

『ジフン先輩がアニメ好きなんて意外です』
wz「他にも色々見てる。デジモンとか、ナルトとか」
『あ！ナルト私も見てましたよ！』

アニメが好きだって言ったら引かれることもあったけど、こいつも結構アニメ好きみたいだ。さすが日本人。

体育館についても２人だけだったから、しばらくアニメの話をしていた。

wz「他にもカードキャプターさくらとか…」
『あ！私それ漫画持ってますよ』
wz「まじか」
『今度読みますか？………あーいや日本語か』
wz「日本語は難しいなㅋ」
『いやいや簡単ですよ！！それに漫画じゃないとわからない魅力もあるし！！』

スンチョリヒョンの妹はコミュ力が高くてずっと一人でも喋ってるタイプだと分かった。
実際、アニメの話をできる人がいなかったから、結構楽しい。

『…』
wz「どうした？」

今まで元気に喋っていた妹が急に黙った。
なにか考え事をしてるみたいだ。

『いや、私日本の話したの久しぶりだなーって思って…』
wz「あーいつも韓国語喋ってるしな」

wz「スンチョリヒョンとも韓国語で話すよな。ヒョン日本語いけるのに」
『……まあ、そう頼んだの私なので。すっかり韓国人のつもりです』

このとき、妹がこの話題を嫌がっていることに気づけたらよかったのに。

wz「まあ分かるけどな、日本人って」

すぐ、余計なことを言ったと気付いた。

wz「ごめん」

すぐ謝ったけど、もう遅い。妹は傷ついた顔をしていた。

『大丈夫ですよ！やっぱり発音とか下手ですよねー』
wz「ごめん」
『謝らないでくださいよᄒ今日はアニメの話できて楽しかったです！ミンギュには先帰ったって言っといてください！』

では、と体育館を出ていく妹。

あんなこと言う必要なかったのに。

いつもカバンに入っている韓国語の単語帳。
それを見れば、あの言葉が彼女をどれだけ傷つけるか分かるはずなのに。

ただ、気分が良くて、日本人とアニメの話をできたのが楽しくて、口をついて出てしまった。

いつも平気そうにしてるから、なんて言い訳にならない。

謝らないといけない。