2 ページ2
jh「まじ最悪。どうしてくれんの？」
明らかに不機嫌そうな彼は、先ほど私とぶつかった男子高校生さん。
いや、私 が ぶつかった男子高校生さんです。
制服はうちの高校だけど、先輩だと思う。
…………だってこんなイケメン見たことないし。
その先輩(？)は、大きく黒めがちな目、長いまつ毛、整った顔立ちに少し長めの襟足とそれはもう天使のようなビジュアルの持ち主だった。
こんなイケメンいたっけ？
『ノーマークだった…』
jh「ねえ聞いてる？制服汚れたし、多分遅刻なんだけど」
イケメン、怒ってる。
怒った顔も彫刻並みに美しいとか考えてる場合じゃなさそう。
いやでも本当に申し訳ないな。幸い怪我はなかったものの、ね。
私の不注意だし、とりあえず謝っとこう。
『ごめ』
「350000ウォン」
『………350000ウォン』
いやーびっくりしたよね。350000ウォン。
何かな？って思ったらね、これあれだわ。制服代。
え、買えってこと？
『あの、ぶつかった私が言う事でもないですが、それくらいちょっと洗ったら落ちますよ？』
もしかして、めんどくさい人にぶつかった ？
jh「…それがぶつかったてきた人の態度なの？」
『いえ！払わさせていただきます』
前言撤回。こいつヤクザだわ。高校生の圧じゃない。
まあ、私が悪いし…。
あーあお小遣い少ないのに…。しかもこれ絶対遅刻だよね。
つくづくツイてないなって思う。
『分割払いでお願いします…』
諦めてそう言うと、イケメンは鼻で笑った。
jh「冗談、別にこれくらいいい。お前金なさそうだし」
『え、あ、ありがとうございます…？』
なんか一言多いけど、許されたっぽい。
なんか一言多いけど。
『あの、名前、何ていうんですか』
怪我とかあったら困るし一応。
別にイケメンだからとかじゃないよ。
jh「人に名前聞くときは先に名乗ったら？」
こいつ、さっきからなんか偉そうだな。
『……ソン・ユズ』
jh「ユズか、変な名前ㅋ」
なんとなく癪だったので、親友のユズの名前を出してしまった。許せユズ。
jh「じゃあユズ、お前貸し1ね」
そう言って起き上がり、歩いていくイケメン。
ペコ、とお辞儀をして、私も再び自転車に乗る。
なんだ貸し1って。もう絶対会いたくない。いくらイケメンでもあれはないわ。
『遅刻確定かー……』
あ、しかも名前結局教えてもらってないじゃん！
……………まあいっか！
これが天使の顔した悪魔、ユン・ジョンハンとの出会いだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 286人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yo | 作成日時：2023年12月8日 1時
