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"まー、デートっつっても?お家デートな。"
ニヤリと不敵に笑った摂津くんが私を連れていったのは、MANKAI寮の摂津くんと十座の部屋。
当たり前だけど十座はおらず、必然的に2人きり。
…誰にも会わなくてよかった。
「由井ちゃん、緊張してんの?」
『…摂津くん、左から砲弾くる。』
「………りょーかい。」
カーペットに座って、2人でゲーム。
茅ヶ崎さんみたいにテレビゲームは置いてなかったから、スマホゲームだけど。
最初はゲームなんて全然わからなかったけど、茅ヶ崎さんに教えられるままにしてたらどんどんわかるようになってきた。
「由井ちゃんさぁ、ゲーム好き?」
『んー…この前まで全然だったけど…茅ヶ崎さんに付き合うのは楽しいよ。』
「ふぅん。」
画面に映る"WIN"の文字。
それが映ると、摂津くんはずいっと距離を詰めてきた。
スマホは目の前のテーブルに置かれていて、軽く私の腰に手を当てている。
ふわりと、摂津くんの香水のかおりがした。
『せ…、摂津くん、近い。』
「…近寄ってんだから当たり前じゃね?」
『ひっつく必要がまずなくない…?』
「…由井ちゃんまじでわかってねぇーのな。」
はぁ、と大きくため息をつく摂津くんの顔はいつも以上に大人っぽい。
…きれーな顔。
「なぁ、キスしてくんね?」
『…………は。』
摂津くんの体温を微かに感じてだんだんと恥ずかしくなってくる。
そんな時に、摂津くんはさらなる爆弾を投下した。
…言葉を理解するのに数秒を要する。
『…ごめん、何?』
「だぁーかぁーら、キス。」
『それはわかってるんだけど!』
「部屋に男と女がふたりきり。…環境としてはジューブンじゃね?」
細いのにゴツゴツした指が私の髪を耳にかける。
少しだけ耳に指が触れて身がよじれた。
その様子を見て、摂津くんは満足そうに微笑む。
「…ナニその反応、かわいい。」
『…からかわないで。』
顔が熱くなってるのが自分でもわかる。
バカなの私。自分に軽くイラついてるのに、部屋に充満してくるのは甘ったるい空気。
「…やっぱやめるわ。」
そう言って、摂津くんは私の腰から手を離してスマホを持った。
そして、カメラをこちらに向けて1枚撮った。
「この顔見れただけ、今日は十分だわ。」
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夢花(仮垢) - 夢主ちゃん頑張れ…。あ、どこかは忘れましたが(すみません)、この続編のどこかに「してしまった」の所が「してひまった」になってました。今自分が覚えてるってことは割と最後の方です()中途半端 (2018年11月16日 9時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 悠斗さん» コメント、並びにご指摘ありがとうございます。早急に訂正させていただきます。大変失礼いたしました。 (2018年4月7日 14時) (レス) id: 92b7e8a327 (このIDを非表示/違反報告)
悠斗(プロフ) - いつも楽しく読んでいます。文字ミスなのですが120ページの「仕事が立て込んでて、MANKAI両へ帰る余裕がなかったのだ。」 のところで『両』ではなく『寮』ですよね。 (2018年4月7日 11時) (レス) id: c0cfb0f959 (このIDを非表示/違反報告)
ますみすみ(プロフ) - いやぁぁぁッ///みすみーッ///本当この作品大好きです!!! (2018年4月3日 0時) (レス) id: 43e6e1321d (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - ひぃゃゃゃゃああ!!!三角〜!!!かわいいよ〜〜〜!!! (2018年4月2日 21時) (レス) id: 700d4b33cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青 | 作成日時:2017年11月6日 22時