プライド。 ページ1
.
ルールとしては、徹さんがサーブを5本うつ。
それを、合計何本拾えたかを競うことになった。
もちろん、ただあげるだけじゃだめできちんとセッターに返すことが必須。
なので、2人1ペアで挑むことに。
『…賢二郎…ごめん…』
「いや…別に。気にすんなよ。」
私のペアは賢二郎。
若利さん直々のご指名だった。
その指名に、賢二郎は即OKした。
流石!
そのほかは、夜久さんとケンちゃん。西谷と菅原さんだ。
…2年生ペアはここだけか。
「なぁ、名前。」
『なに?』
私がサポーター(ケンちゃんの私物)をつけていると、真面目な顔をした賢二郎が声をかけてきた。
「手、抜くなよ。」
『は?』
「マネージャーだからとか、女だからとか言う理由で、あいつらの面を立てようとか思うなよってこと。」
『あー…』
賢二郎は、つめたく言い放った。
正直、考えていなかったわけじゃない。
強豪校の正リベロが、ただのマネージャーに負けるだなんてシャレにならない。
彼らの顔もたたない。
手を抜くべきなんじゃないか、顔を立たせた方がいいんじゃないのか。
そう考えていた。
けれど、無理だった。
『大丈夫。
そんなことしたら、若利さんの顔に泥ぬっちゃうじゃん。
…それに、私もプライドあるし。』
私を信用してくれている若利さんの気持ち。
それから、自分のリベロとしてのプライド。
やっぱ、勝負事は勝ちたいんです。
『私も賢二郎も、負けず嫌いだしね?』
「…俺はそれだけじゃないけどな。」
『…なんかあるの?他に。』
「お前は知らなくていいことだよ、バーカ。」
『???』
賢二郎は満足そうな顔をして拳を突き出してきた。
「ん。」
『?』
「…おまえ、こういうのはわかんないのな。」
『は?…いっ』
おでこを、グーでこつんとやられる。
いた…くはないけど。
賢二郎こういうのよくするんだよね…。
「試合でもなんでもないけどさ、」
『うん。』
「俺、めっちゃやる気。」
『…ん、私も。』
どちらからともなく、笑みが溢れる。
今、めちゃくちゃ楽しい。
.
2226人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りり - 1000! (2023年1月20日 23時) (レス) @page30 id: feaf084e84 (このIDを非表示/違反報告)
あきゃ - お話し読ませていただきました! お話しもリアルで読んでいてとても楽しかったです。 お話しの続きがあると嬉しいです。お体に気をつけて頑張ってください…応援しています! (2022年9月10日 10時) (レス) @page30 id: a21b7320f4 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 話の展開にハラハラドキドキして、、読んでいてとても楽しかったです!!!とってもキュンキュンしました!!更新大変だと思いますが……作品の続きを読める日をずっっと楽しみに待ってます!!!影ながら応援してますっ!! (2022年8月17日 18時) (レス) @page30 id: 5b22c7453f (このIDを非表示/違反報告)
脇腹 - コメント失礼します…!今まで色んな夢小説見てきたんですけれど顔文字とか入ってなくて表現の仕方も分かりやすく凄く読みやすくて良かったです!! (2022年6月29日 13時) (レス) id: 56704687d6 (このIDを非表示/違反報告)
紅月。 - 初コメ失礼します!この作品を読んだ時、衝撃を受けました!もう読みながら悶えてました!この作品で糖分を補給してるのでこれからも主様のペースで更新お願いします! (2021年8月18日 17時) (レス) id: 9bccb615c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:青 | 作成日時:2017年8月8日 20時