#56 ページ8
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Todoroki side.
「君の！！！力じゃないか…っ！！！」
「っ、！！」
ボロボロになりながら、緑谷は俺に叫んだ。
大声なんて、もう出すだけで精一杯なはずなのに。
何でそこまでする、何がお前をそうさせている。
…痛いほど、そう思った。
緑谷にそう言われたとき、頭に浮かんだのは…幼い時の記憶。
俺の頭を撫でてくれるお母さん。
かっこいい、オールマイトのインタビュー。
…そして、あの言葉。
'いいのよ…、お前は。
血に囚われることなんてない。
なりたい自分に、なっていいんだよ。'
自分の視界が、少し潤んだのがわかった。
目には暖かい薄膜が張り、表情筋が勝手に歪む。
冷たくなって、動き全てが鈍くなった体を無理やり動かして…俺は緑谷とは別の方角。
つまり、俺の後ろ側に振り返った。
そこには、大きな目に涙を溜めて、嬉しそうな…でも可哀想な、一言では表現できないような顔をした水野がいた。
俺が頼んだ通り、俺をいちばん近くで見守ってくれている。
…やっぱり、あいつがいるだけで俺は安心するんだ。
"私は…轟くんじゃないから、轟くんのその気持ちはわからない。
けど、知らないからこそ轟くんの感情の捌け口にはなれるよ。
辛いことも、どんなことだって受け止めることができる。
…こんなこと言ったら、無責任とか言われるかもしれないけど…。
私にとっては、氷結を出す轟くんも、炎熱を出す轟も…どっちも"轟焦凍くん"だから。"
体育祭の開催が伝えられて、俺が自分の家のことをあいつに話した。
…そのとき、あいつがこう言ったんだ。
その時の感覚は、今でも全然忘れてねぇ。
…久しぶりに、俺の全てを受け止めてもらえたと感じた。
"エンデヴァーの息子"ではなく、"轟焦凍"として俺の全てを受け止めると言ってくれた。
何で水野のそれにあんな気持ちになったのか…それはよくわかっていなかった。
だけど、今ならよくわかる。
「俺だって…っ、ヒーローに…！！！！」
俺の左から、赤い炎熱が発現する。
あいつは、俺自身を真っ直ぐに見てくれた。
受け止めてくれた。
温もりをくれた。
自分の気持ちが高揚しているのがわかる。
生まれて初めて、"俺の力"だと認識できた。…うずうずしてるんだ、俺は。
もう一度、俺は水野の方を振り返る。
…あいつは綺麗な涙を流しながら、微笑んでくれていた。
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M - めっちゃ最高でした!!（表現力0ですみません）次も楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2021年8月29日 21時) (
レス) id: f5d7f6001a (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 本当に面白いです！！更新お願いします！ (2021年8月10日 19時) (レス) id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
さやか - すっごく面白いです！！めっちゃ続きが気になります！！ (2018年7月31日 19時) (レス) id: 05e25352a8 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - まじでサイコーです！弔くんとの続きがみたいです(・∀・)これからも更新頑張ってください！めちゃめちゃ楽しみにしてます！！ (2018年3月4日 4時) (レス) id: e5b1effe20 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 一言で言って最高です(真顔) (2018年2月18日 22時) (レス) id: ba99215799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青
| 作成日時：2018年2月8日 11時
