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「…なんだこの鱗、きもっちわりィな。」
爆豪くんがそう呟いたときの私は、酷く滑稽だっただろう。
一瞬にして背筋が凍った気がした。
気管が狭くなって、息ができてない気がした。
指先の感覚が薄くなっていって、頭上にあった水のボールが落ちた。
〈おおおっとどうした水野ぉ！！！これは爆豪のチャンスかぁ？！〉
フラッシュバックするあの日の記憶。
忘れたはずだった。
…もう、それを言った男の子の名前も顔も覚えていないのに、その言葉とその時の感覚だけが私を襲った。
"きもち悪いよね"
弔さんにその考えを否定されて、もう平気なんだと錯覚していたのかもしれない。
根本的な私は何も変わっていない。
相変わらずこの鱗は醜いし、私は弱くて泣き虫だ。
…弔さんと過ごすことによって、自分まで強くなったと勘違いしていたらしい。
『…は、…ぁ…っ』
「あ"！？ンだよその面ァ！！！」
『…何でもないよ、爆豪くん。』
この試合が始まって、初めて私は爆豪くんに応えた。
私が試合中に応えなかった理由は一つ。…戦闘中に会話をするのが、あまり好きじゃなかったから。
じゃあどうして今更応えたのか、と問われると私もよくわからない。
けど、何だか今は…全てがどうでもよく思えてきたのだ。
「オイ水野。」
『…何かな。』
「テメェ…本気でヒーローになりてぇって思っとるんか。」
爆豪くんの目は、さっきまでのキレた目じゃなくて。
すごく、真剣な目だった。
そこで何となく、爆豪勝己という男がどんな人間なのかがわかった気がした。
…爆豪くんは、どうしようもないくらい優しいんだ。
一瞬で、私がさっきまでとは違う邪念に苛まれていることを悟った。
爆豪くんの言葉と、弔さんの温もり。
さっきの、ファットガムと先輩のお話。いろんなことを考えた。
…私はどうしたらいいのか、自分でもわからなくなってしまった。
そんな私に、彼はあえて"ヒーローになりたいか"という質問をしてきた。
…正直頭キレすぎてて怖い。
『………わか、らない。』
爆豪くんの顔を、真っ直ぐみることはできなかった。
ちらちらと、どんな表情をしているのか伺うのが限界で。
…でも、爆豪くんからの視線は痛いくらい感じいて。
もう、正直戦える頭じゃない。
…弔さんに会いたい。
「ウソつくんじゃねぇわ！！！このクソ女がァ！！！」
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M - めっちゃ最高でした!!（表現力0ですみません）次も楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2021年8月29日 21時) (
レス) id: f5d7f6001a (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 本当に面白いです！！更新お願いします！ (2021年8月10日 19時) (レス) id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
さやか - すっごく面白いです！！めっちゃ続きが気になります！！ (2018年7月31日 19時) (レス) id: 05e25352a8 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - まじでサイコーです！弔くんとの続きがみたいです(・∀・)これからも更新頑張ってください！めちゃめちゃ楽しみにしてます！！ (2018年3月4日 4時) (レス) id: e5b1effe20 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 一言で言って最高です(真顔) (2018年2月18日 22時) (レス) id: ba99215799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青
| 作成日時：2018年2月8日 11時
