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「オイコラ水女」
『え、え〜…』
最後の切島くんとの試合に勝った後、普通に控え室に戻ってきた。
すると、何故かそこにいた爆豪くん。
…次爆豪くんの試合だっけ…?
違うよね、次は轟くんと委員長のはず。
『おつかれさま?』
「ハァ?!疲れてねぇよぶっ飛ばすぞ!」
『え〜…、なんで怒ってんの…?』
爆豪くんは何でかわからないけど、いつにも増してギラギラしていた。
…バトルが沢山できてテンションが上がってる?
それとも、士気が上がってるとか…?
何にせよ、ここにはあんまり長居しないほうがよさそう。
そう思って、テーブルに置いてあったスマホをポケットに入れ引き返そうと踵を返した。
『…っ、何?』
「……。」
爆豪くんに背中を向けた途端、掴まれた手首。
突然のことで驚いてしまった。
爆豪くんの顔を見てみると、影がかかっていてわかりにくい。
一言二言ほど声をかけてみたけど、反応はなくて。
どうしたらいいのかわからなかったから、とりあえず待ってみる。
少し経った後、爆豪くんはゆっくりと口を開いた。
「…さっき、テメェどこにいた。」
『え…?』
「だッから!どこに居たんだって聞いたんだよクソが!」
いつもみたいな剣幕じゃなくて、もっと…こう。
どう表現したらいいのかわからないけど、シリアスな怒り方。
…だから、いつもみたいに軽口で返しちゃだめだと感じた。
『…さっきまでは、試合してた。』
「…なんこたァわかっとる。
…俺が麗日とバトルしてる最中。テメェ途中からいなかったろ。
自分の用意するには早すぎる。便所かとも思ったが、テメェは最後まで帰ってこなかった。
どこにいた、俺の試合観ねぇで!」
『…は、い"っ、』
肩をすごい力で掴まれて、壁に押し付けられる。
顔の左側には爆豪くんの手があって、…少し焦げた匂いがした。
『…と、轟くんといた。』
喉から出てきた声は、びっくりするほどか細い声。
私がそう言うと、爆豪くんは目を見開いた。…そしてすぐに、キッと私を睨みつける。
「…チッ。」
爆豪くんは舌打ちをすると、私の顎ごと頰を掴み顔を上にあげた。
どうしたの、そう聞きたかったけど。
爆豪くんの表情は、怒っているようだけど…少しだけ寂しそうにも見えて。
そんなこと、とてもじゃないけど言えなかった。
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M - めっちゃ最高でした!!(表現力0ですみません)次も楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2021年8月29日 21時) (レス) id: f5d7f6001a (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 本当に面白いです!!更新お願いします! (2021年8月10日 19時) (レス) id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
さやか - すっごく面白いです!!めっちゃ続きが気になります!! (2018年7月31日 19時) (レス) id: 05e25352a8 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - まじでサイコーです!弔くんとの続きがみたいです(・∀・)これからも更新頑張ってください!めちゃめちゃ楽しみにしてます!! (2018年3月4日 4時) (レス) id: e5b1effe20 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 一言で言って最高です(真顔) (2018年2月18日 22時) (レス) id: ba99215799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青 | 作成日時:2018年2月8日 11時