【A3!】天才ちゃんの化けの皮。

#40 ページ42

.




Chigasaki side.






「あー…頭いた。」







真っ暗な部屋で、ゲームのコントローラーを弄る。
軽く頭に回ったアルコールが、頭を攻撃していた。





まぁ、そんなものならゲームすんなって話だけど。







「チッ、またこいつかよマジ殺すぞ。」







自然とコントローラーを持つ手に力が入る。
あぁ、だめだ、冷静さを失ってる。






そろそろやめようかな、と思っていた時だった。
部屋の扉がガチャリと音を鳴らした。









『あ…茅ヶ崎さん…。』





「由井さん…」








入って来たのは由井さん。
少し、違和感を感じた。





由井さんが入ってくること自体は全く問題ない。
…何だろう、雰囲気？








『まだ起きてたんですね…。明日もお仕事ですか？』





「うん、まぁそんなとこ。由井さんもでしょ？」





『あはは、まぁ…。』







少しだけ震えてる声。
部屋が暗くて様子がわからなかったから、電気をつける。









「…大丈夫？顔赤いけど。」






『あっ…』









そこにいたのは、顔をほんのり赤く染めた由井さん。
…やば、くそかわいい…。







そして無意識に頰に手を伸ばしてしまう。
すると、由井さんはくすぐったそうに目を瞑った。









「何？これ俺誘われてる？」






『…何の話ですか？』






「アッ、ごめん間違った。」








俺としたことが、ころっと本音が出てしまった。
いやマジで、俺ガチJKに何言ってんの？？イミフ。







ごほんと咳払いをし、由井さんに改めて尋ねる。








「で、何かあった？」







俺が尋ねると、由井さんは少し悩み…そして、言いにくそうに口を開いた。








『先程、ゆきし…えっと、東さんとお話したんですけど…。


それで…。』






「いや、もうおけ。ストップ。」





『え、』









自分から聞いておいてなにしてるんだよ俺。
けど、これ以上は聞きたくなかった。








「あの人も酒入ってたから、あんま間に受けない方がいいかも。
…ま、とりま風呂入っておいで？」







『そ、そうですね…。ありがとうございます。』








不思議がる由井さんを、半ば強引に風呂に行かせる。
そして、部屋に1人になってから項垂れる。







…ホンキで、東さんがしてることが分かんない。
由井さんも由井さんでしょ、アレは意識してる顔だった。






けど、1番意味わかんないのは…









「何故かこんなにイラついてる俺、かな。」





.

#41→←#39

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す