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『雪白さん…、何だかすみません…。
あの、本当に古市さんに監督さんを預けて来ても大丈夫だったんですか?』
あの後、私は雪白によってテラスへと連れ出されていた。
その際、雪白さんが古市さんに監督さんを預けたのだ。
…助けてくれた…のかな。
「ふふ、気にしないで?ああ見えて左京くんは、カントクのこと好きだから。
…それより、由井さんは大丈夫?カントク達に絡まれてたけど。」
雪白さんが綺麗に微笑む。
その白い髪が月明かりに照らされてすごく綺麗。
『私は大丈夫です、慣れてますので…。』
「へぇ、慣れてるんだ。…何だか意外だな、他人に興味がないって言ってる由井さんが、カントクたちを介抱してるの。」
『ああ言ったことはよくあるんです。仕事柄、食事とか飲みに行かなきゃ行けないことが多くて。』
「そうなんだ。」
『…雪白さん、何でそんなに楽しそうなんですか?』
私が尋ねると、雪白さんは微笑んだまま私にペットボトルのミネラルウォーターを渡してくれる。
お言葉に甘えていただくと、冷たさが少しだけ頭をシャンとさせてくれた。
「ふふ、何でかな?ナイショ。」
『……。』
「…由井さんは、まだ皆んなのこと興味ない?」
『藪から棒ですね。』
「面白いでしょ?」
…何だか、食えない人。
『…まだ興味はないですよ。ただ、皆さん親切にしてくださってるので…応えなきゃとは思います。』
「由井さんが興味があることって何かな?」
『お芝居だけです。
…私にとって人間関係の構築って、お芝居をするために必要な材料だったんです。
共演してる方達と仲良くしとかないと、現場の空気が悪くなる。
偉い人に媚を売らないと、使って貰えない。
それだけなんです。』
「へぇ…。」
何故か自然に唇が動く。ここまで言うつもりじゃなかったのに…雰囲気に当てられた?
ぼんやりと空を眺めていると、不意に手を握られる。
『え…?』
「皆一気に興味を持つって大変でしょ?…だから、ボクから興味を持ってみない?
…ボクは、君に興味があるんだ。」
『…っん。』
雪白さんは私に顔を寄せて来て、耳にキスをする。
ふわりと香った甘い香りに、不本意ながらどきっとした自分がいた。
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浴 - 三角との絡みを!!!とてもお話が面白くて好きです!応援してます! (2017年10月19日 9時) (レス) id: 3d5a1dcf59 (このIDを非表示/違反報告)
こっち(プロフ) - 三角、天馬、至さん、万里、臣くんでお願いします。ストーリーも面白く、書き方もとても好きなので応援しています!頑張ってください!! (2017年10月14日 18時) (レス) id: 4208411a04 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい(プロフ) - 至、万里、左京でお願いします!ストーリー凄く面白くてつい夢中で読んでしまいました!これからも更新頑張ってください! (2017年10月11日 6時) (レス) id: 5f81c7b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
藤原(プロフ) - △、△、△でお願いします! (2017年10月11日 5時) (レス) id: 47165f1ee4 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ(プロフ) - 至、天馬、万里でお願いします!!! (2017年10月10日 21時) (レス) id: 9c357f7ed8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青 | 作成日時:2017年9月12日 18時