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011. ページ14

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「なぁ」






『ん?』





「大地さんからlime来てた。今週末、青城と練習試合だってさ。」









縁下くんと肩を並べて帰路につく。
保健室から出てみると、とっくに部活が終わっていたためふたりきりだ。







私のスマホには、マネさんや部員から心配のlimeが結構きてた。
…何人かには、勘付かれてるだろうなぁ。









『…じゃあ、荒れるねぇ。イロイロ。』






「お前なぁ…」









縁下くんに、コツンと頭を小突かれる。








「仮にも、お前のこと好いてる俺の前でそういうこと言う??」







『別に、ナニとは言ってないじゃん。』







「チッ」








縁下くんは、はぁ、と大きな息をついた。
そして、私の手をそのごつごつとした手で包んだ。







ちゅ、と手首にキス。
そのまま吸おうとしたので、バッと手首を離す。








「シルシ、付けさせろよ。」






『やだよ、見えるとこじゃん。』






「お前、うなじに付けてるじゃん。山口?」






『えっ、うそ…』






「気づいてなかったのかよ…」







咄嗟にうなじを触る。
触ったといっても、別に感触ではわからないのだけれど。






流石の私も、うなじにキスマークを付けてる部活をする趣味はない。
絆創膏貼らないと…。









「…なぁ、お前知ってる?手首へのキスの意味。」







縁下くんが、呆れたように私を見る。
私は、知らない、という意味をこめて眉を下げ笑った。








「…手首へのキスは、欲望の証し。」






『…ほんと、縁下くんシュミ悪い。』







「悪くねぇよ。」









縁下くんは、私の肩を抱いてその硬い胸に閉じ込める。
顔も、息も、心臓の音もちかい。すぐそこにある。







『…ひっ、』








ぞろりと、耳を舐められる。
耳朶をちろちろと弄び、耳の穴に侵入させる。





熱い吐息がかかるたび、肩が跳ねる。









「…お前が欲しい。本気で。」









ぼそりと呟いたその声は、やっぱり寂しそうで、苦しそうで。









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こめ(プロフ) - わああああああ! 通知見て飛んできました笑 ありがとうございます!! (2020年8月16日 8時) (レス) id: d80500603f (このIDを非表示/違反報告)
こめ(プロフ) - 他の小説では活動していらっしゃるようなので… 更新待っています(. .`) (2020年8月13日 8時) (レス) id: d80500603f (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - 追加…!黒尾さん、国見ん、赤葦さん、研磨、二口さん、岩泉さん、影山、ツッキー、白布ん、瀬見さん、川西でオチ。お願いします!推しキャラ多いんですよね…私(´・ω・`) (2017年10月2日 23時) (レス) id: 76b8560369 (このIDを非表示/違反報告)
影黒 赤美(プロフ) - オチは、影山、黒尾、赤葦(通称黒神組)でお願いします!!黒神組推しなんで!!w (2017年9月6日 18時) (レス) id: 3ce43cb10f (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - 国見くん、赤葦さん、研磨くんキタコレ!ってくらい大好きすぎて辛い…そういう3人も見てみたい今日この頃…お願いします! (2017年8月23日 1時) (レス) id: 63846ff92f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年7月3日 16時

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