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くいくいと私の髪をいじって三つ編みを作っては解き、作っては解きを繰り返していたゾムの手が固まった。ついでに私のポッキーを貪る手も止まった。次々と他の女子達も賛同していき、候補者の欄にヨシナリくんとゾムの名前が白いチョークで書かれる。
周りの生徒達がざわめきだす中、窓際の後ろの席である私とゾムだけが停止している。大先生に揺さぶられてなんとか意識を取り戻し、随分と短くなったポッキーを噛み砕いてミルクティーで流し込む。
「ゾム、推薦者多数だけどどうする？」
「…俺演技苦手やから台本あっても棒読みになるで」
「それは練習次第でどうにかするよ。とりあえず本人の意思を聞きたい。王子役、やりたいかやりたくないか」
騒いでいるクラスメイトを窘めた後に委員長が問いかけると、ゾムは私の髪をいじる手をやめて肘をついて黙り込んだ。あ、そこは悩むんや。
すると大先生が私のポッキーを一本取りながら委員長に「ちなみにやけどキスシーンとかあるん？」と聞いた。
その途端また溢れ帰る生徒達のざわめき。女子生徒からは悲鳴にも近い甲高い声があがる。絶対これ他クラスまで声響いとうよな。あとこれ私ほんまに脚本次第では背後から刺されるんちゃう？
「まだ脚本終わってないから未定だけど、あったとしてもキスするフリかな。そこはシンデレラと王子次第で決める」
「うわぁ、尚更俺が王子役やりたかった」
『キッショ、クッサ、シネ』
「片言で辛辣な言葉吐くんやめて」
「…で、どうするゾム」
「…んー、ちょっと考えるわ」
「了解。じゃあこの時間の最後に聞くからその時までに答え出してね。先にタイトルとか他のことを考えようか」
委員長の流れるような司会進行に関心していると、手元にあるスマホが震える。通知の欄を除くと、相手は後ろの席の彼からだった。
ゾム俺とヨシナリ、どっちがいい?
……そんなん決まっとうわ。
慣れた手つきでメッセージを打ち、何事もなかったかのようにまた前を向く。先程までいじくられていた髪の毛を手で梳いて整え、毛先をいじる。
ゾム俺とヨシナリ、どっちがいい?
Aゾムかな
「…委員長、俺も立候補するわ」
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悠亜(プロフ) - guririさん» コメントありがとうございます！きゅんきゅんして頂き幸いです…続編もよろしければお楽しみください！読了ありがとうございます！ (2019年11月20日 23時) (
レス) id: eb2dbc11ad (このIDを非表示/違反報告)
guriri - ヤバいめっちゃキュンキュンする．．．！ (2019年11月19日 20時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
悠亜(プロフ) - 友希那さん» 友希那さんコメントありがとうございます！毎日更新出来なくて申し訳ありません…。楽しみにして頂けてとても嬉しいです。今後もキュンキュン出来るような展開に持っていきたいのでぜひよろしくお願いします！ありがとうございます！ (2019年8月6日 19時) (レス) id: 66cdfbcc74 (このIDを非表示/違反報告)
悠亜(プロフ) - ひーちゃんさん» ひーちゃんさんコメントありがとうございます！狂犬組良いですよね、とても夏が似合う…。そろそろその2人も出そうと思ってたのでリクエスト嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年8月6日 19時) (レス) id: 66cdfbcc74 (このIDを非表示/違反報告)
友希那 - ｷｬｰｰｰｰ!!毎日コツコツ更新チェックしながら見てるものです。いつもキュンキュンさせてもらってますよぉ！これからも応援してます! (2019年8月4日 18時) (レス) id: 43ce5d2e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠亜 | 作成日時：2019年5月8日 21時
