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応援合戦が全て終わり、通常の競技に戻る。私に残された競技は400mリレーだけ。応援合戦に必死で浮かれていたけど、決意した覚悟をしっかりと思い出す。体調のコンディションも良いし、靴も慣れたものを使っている。天気も良いし校庭の状態も悪くない。あとは、自分の実力と、運と、覚悟で勝負するだけ。
時間が経つに連れて心拍数が上がる。太陽が少し沈みだし、体育祭の終盤が近付くに連れて各団の点数が僅差で競い合っており緊張感が高まる。トリである400mリレーは配点が高いため、この競技で勝敗が決まると言っても過言ではないのだ。
1年生の400mリレーがスタートし、今のうちに2年生の選手4人で円陣を組む。全員とハイタッチをして1年生を応援する。ロボロが実況しながらゴールした順番を発表していく。次は、私たち。自分の覚悟を決めるとき。
…あぁ、待って。やっぱりどないしよう、怖い。走れるかな、バトンを落としてしまったら、転んでしまったら。
ジャージの裾を握りしめて俯き自分の影を眺めていると、そこに誰かの影が重なり頭をぽん、と撫でられる。
『…ゾム』
「緊張しすぎ、大丈夫やって」
『…うん』
「絶対俺が1位になったるから、安心して走りや」
そのたった一言で、心が軽くなった気がした。背中を軽く叩かれ、ゾムはそのままアンカーの位置に移動する。深呼吸をしたあと、もう一度私は覚悟を決め直す。選手以外の生徒、保護者の人達、全ての視線が自分たちの立つトラックに集まる。遠くから自分を呼ぶ声が聞こえる。
空砲が鳴り響いて、第1走者が走り出す。見る限り2位と3位をギリギリで保っている。そのままヨシナリくんにバトンが綺麗に渡り、こちらに向かって走り抜けてくる。
私は踵をとんとんと浮かせながらもう一度深呼吸をし、少しだけ前に走りつつバトンを受け取る。確かに青いバトンを掴んだあと、一直線にゾムに向かって駆け出す。
1位の赤団の子は既に私の前を走っている。周りの歓声なんて一切入ってこない。ただ自分が風を切る音と地面を踏みしめる音だけが耳に届く。
《青団が1歩前に出ましたが、1位は未だ赤団！ここから巻き返せるのでしょうか！》
《アンカーで巻き返しがあるかもしれません、一瞬たりとも目を離せない展開です》
くそ、2位や。追いつかれへん。3位の黄団の子が横に並んでくる。くそ、くそ、ゾムに、渡さなきゃ、1位以外は諦めんねん。前や、前だけを向け、ああもうもっと上がれよ私の足、はやく、はやく。
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悠亜(プロフ) - guririさん» コメントありがとうございます！きゅんきゅんして頂き幸いです…続編もよろしければお楽しみください！読了ありがとうございます！ (2019年11月20日 23時) (
レス) id: eb2dbc11ad (このIDを非表示/違反報告)
guriri - ヤバいめっちゃキュンキュンする．．．！ (2019年11月19日 20時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
悠亜(プロフ) - 友希那さん» 友希那さんコメントありがとうございます！毎日更新出来なくて申し訳ありません…。楽しみにして頂けてとても嬉しいです。今後もキュンキュン出来るような展開に持っていきたいのでぜひよろしくお願いします！ありがとうございます！ (2019年8月6日 19時) (レス) id: 66cdfbcc74 (このIDを非表示/違反報告)
悠亜(プロフ) - ひーちゃんさん» ひーちゃんさんコメントありがとうございます！狂犬組良いですよね、とても夏が似合う…。そろそろその2人も出そうと思ってたのでリクエスト嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年8月6日 19時) (レス) id: 66cdfbcc74 (このIDを非表示/違反報告)
友希那 - ｷｬｰｰｰｰ!!毎日コツコツ更新チェックしながら見てるものです。いつもキュンキュンさせてもらってますよぉ！これからも応援してます! (2019年8月4日 18時) (レス) id: 43ce5d2e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠亜 | 作成日時：2019年5月8日 21時
