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『ねぇ、諦めるって、どうしたらいいの』
「…そんなの、わかんないよ」
『…そうだよね』
「Aも好きな人いるんだろうなーって薄々思ってたけど、今度ちゃんと聞かせてね」
『…うん。長くなっちゃうけど』
「いいよ。話したいときにいつでもおいで。シオンもちゃんと聞いてくれると思うよ」
またね、と手を振ったリホは儚げに笑って私の背中を押してくれた。その姿があまりにも美しくて思わず見惚れてしまった。
そのあとの授業の内容は、なにも頭に入らなかった。
リホみたいに綺麗な人でも、ゾムに告白して振られたモデルのように可愛いカナコでも、叶わない恋はある。好きな人の好きな人になるのって、こんなにも難しいものやったっけ。
休み時間になる度に廊下に集まって話すカップルも、最近先輩と付き合ったらしいあの子も、よりを戻してまた別れを繰り返すあの子も、最初はどうやったんかな。何かを諦めて、何かを選んだのかな。
何事も無く放課後になり、私は居酒屋のバイトがあるため早めに学校を出る。6月は別段混むわけではないが常に手は動かすことになるため、考え事をしないためにはちょうど良かった。
あっという間にバイトの就業時間になり、挨拶をして帰宅する。体育祭までもう2週間か、と時の流れの速さをしみじみと感じつつ、シャワーを浴びながらバイト中に聞いた女性客の会話を思い出した。
(「私は何かを言い訳にしないと正直になれないの。例えば、1週間の間で何も無かったら諦めるとか、私が先に目的地に到着したら諦めないとか」)
それでもし正反対のことを願ったら、それが自分の本当の気持ちだから。とアルコールで赤く染まった顔でビールを煽っていた。
不安定になっていた自分の気持ちを、そうやって確かめるのもアリかもしれない。ずるいやり方かもしれないけれど、それでもいいと思った。運にすら縋りたいくらい、もう自分がわからなくなっていた。
体育祭で、優勝したらかな。いや、400mリレーかな。400mリレーは、まずみったんが走ってヨシナリくんに繋ぎ、次に私。そして、アンカーのゾムへとバトンが渡される。
…それで、1位になったら、私は諦めない。2位以下は、諦める。
どうにも諦めさせてくれない彼との、身勝手な勝負。どっちに転んでも恨みっこなし。諦めることになったら、今までよりもハッキリ距離を置こう。
諦めないとなったら、私は、
『…恋の終わりは、私が決める』
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サイパス - 悠亜さん» (°д°;;)ﾊﾜﾜﾜﾜﾜ 見るの遅くなってしまってごめんなさい(;´д｀)
ありがとうございます（＞＜。）。。 (2019年5月6日 23時) (携帯から) (
レス) id: 30187f6537 (このIDを非表示/違反報告)
悠亜(プロフ) - 名無しのキッコーマンさん» 名無しのキッコーマンさんコメントありがとうございます！一途な子素敵ですよね。恋は自覚するまでも時間を要することもあるので、いつか体験したときにそっとこの小説を思い出してくれたら嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年5月5日 22時) (レス) id: 66cdfbcc74 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 片想い、切ないですね。僕は恋を体験したことないけど、夢主ちゃんみたいに一途な子に好かれてたら嬉しく思います! (2019年5月5日 19時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
サイパス - あっ！言い忘れてました…
お願いいたします (2019年5月5日 1時) (携帯から) (レス) id: 30187f6537 (このIDを非表示/違反報告)
サイパス - リクエストしていいですか？
もしよかったらシャオちゃんとの恋愛小説を描いてください/// (2019年5月5日 1時) (携帯から) (レス) id: 30187f6537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠亜 | 作成日時：2019年4月19日 11時
