14 ページ15
「そうだA、ミスコンに出ないか？」
『出えへんわボケ』
「えー、Aちゃんが出たら絶対優勝間違いないめう」
『いやこの学校どんだけ可愛い子おると思ってんねん…私はただのモブやで』
「そんなことないゾ。優勝賞品はまだ言えないがかなり奮発してるし、とりあえず出ろ」
『絶対いや』
「出ろ」
『無理』
「出ろや」
「…あー、でもAちゃんがミスコン出たら誰かさんが嫉妬しそうやなぁ」
グルッペンと押し問答を繰り返していると、マンちゃんが意味深に呟く。顎に人差し指を当てて首を傾げるマンちゃんは私よりよっぽど女子らしく可愛らしい。もうマンちゃんがミスコン出たらええやん。あかんの？いやあかんわ。
『嫉妬って、誰が？』
「んー、内緒めう」
『えぇ…』
「おっ！なんか面白そうな話だな！」
『食いついてくんなや！お前関わると色々ややこしくなんねん！！』
「酷い言い草だな、面白そうなものは仕方ないだろ」
グルッペンは悪いやつではないのだが、日本人離れした整った容姿とバリトンボイスでは想像も出来ないぐらい好奇心が旺盛で、ようは中身が5歳なのだ。
とりあえず奴から興味を逸らすために無理やり話を終わらせて反旗を翻す。内容は私も気になるが、今度マンちゃんとスイーツでも食べながら教えてもらおう。
『まあ何にせよ私は出ないから。あとさっきトントンに言われてんけど、グルッペンちゃんと書類出しや』
「トン氏…！余計なことを…！」
「あーあ、反撃食らってるやん」
『あんまトントン困らせるのやめたれや。仕事せえへん名ばかりの生徒会長とか裸の大将と同じやぞ、恥ずかしくないん？』
「…お前ほんま覚えとけよ」
『さぁ、私は言われたことを伝えとうだけやし。そろそろチャイム鳴るし戻るわ、またねマンちゃん』
「ぷっ、くく…っ、またなAちゃん…！」
「笑いすぎやろオスマン」
「いやだってボロクソに言われてるやん…！ぷっ…ははっ…」
多分女子生徒の中でグルッペンのことをボロクソに言えるのは私だけだと思う。別に自慢するようなことでもないけど。
ただ、このとき私はグルッペンを追い払ったことに対して爽快感を抱いて去っていったが、涙目になって爆笑しているマンちゃんの横でグルッペンが悪い笑みを浮かべていることに気付いていなかったのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1003人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サイパス - 悠亜さん» (°д°;;)ﾊﾜﾜﾜﾜﾜ 見るの遅くなってしまってごめんなさい(;´д｀)
ありがとうございます（＞＜。）。。 (2019年5月6日 23時) (携帯から) (
レス) id: 30187f6537 (このIDを非表示/違反報告)
悠亜(プロフ) - 名無しのキッコーマンさん» 名無しのキッコーマンさんコメントありがとうございます！一途な子素敵ですよね。恋は自覚するまでも時間を要することもあるので、いつか体験したときにそっとこの小説を思い出してくれたら嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年5月5日 22時) (レス) id: 66cdfbcc74 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 片想い、切ないですね。僕は恋を体験したことないけど、夢主ちゃんみたいに一途な子に好かれてたら嬉しく思います! (2019年5月5日 19時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
サイパス - あっ！言い忘れてました…
お願いいたします (2019年5月5日 1時) (携帯から) (レス) id: 30187f6537 (このIDを非表示/違反報告)
サイパス - リクエストしていいですか？
もしよかったらシャオちゃんとの恋愛小説を描いてください/// (2019年5月5日 1時) (携帯から) (レス) id: 30187f6537 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：悠亜 | 作成日時：2019年4月19日 11時
