211【黄が瞬いた鳴き声】 ページ46
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館内は一瞬の静寂に包まれ、誰かが息を呑む音ではっと我に帰る。
空気の微かな振動が頬に伝わり、それが徐々にビリビリと背中まで流れ出した。
_____誠凛が、勝った。
その事実を脳で理解した途端、全身に電流が走った。
脳では色々な感情が入り混じっているのに、喉は一向に言葉を発そうとしない。
爪先まで痺れあがった後、その場にいた全員の心の叫びが口から漏れ出した。
「っ………うわあああああああぁあ！！！！」
汗を垂れ流しながら、空気の振動を感じながら、ユニフォームの隙間から吹く生暖かい風を身体で感じながら、叫び声をあげた。
「誠凛が！？勝ったぁああああああああ！！」
立ち上がり、仲間とともに喜びを分かち合う。
火神も、黒子も、先輩も、満足げに笑みを浮かべ、喜びをそれぞれに表現した。
そんな中、呆然と立ち尽くす奴が1人いた。
他の者は悔しそうな表情を浮かべるばかりなのに、彼奴だけは違った。
信じられないとでもいうような瞳で、その金髪の髪の毛を揺らす。
「負け……たんスか？」
と自分に問いかけ、ポロっと零れるように涙を流した。
「ぁ、れ？あれ、？っ、ぁ……れ……」
自身の瞳から流した涙を手のひらで確かめるように涙を拭い、収まることのない涙をずっと拭い続けていた。
____俺がかけるような言葉は、何一つない。
「…っのボケ！！」
「ぃっ」
そんな姿を見兼ねた笠松さんが黄瀬の背中を蹴り飛ばし、うざったいとでも言うような目で青筋を立てる。
「メソメソしてんじゃねーよ！！
つーか今まで負けたことねーって方がナメてんだよ！！シバくぞ！！」
「……せん、ぱ……」
「そのスッカスカの辞書に、ちゃんと「リベンジ」って単語追加しとけ！」
「……！」
笠松さんに励まされた黄瀬は微笑み、静かに「はいっス」と呟いた。
「整列！！
100対98で誠凛高校の勝ち！！」
「「ありがとうございました！！」」
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＊
おは……こんばんは！(
作者今日から学校でした。
北のほうに住んでるので……
冬休み中ずっと引きこもっていたせいか、歩くたびに関節が軋みます。膝痛い。もうなんでもいいから寝たい。
2月の最初にテスト、その後は期末もあるので更新また遅れるかもしれません……最近でさえ全然更新してないっていうのにすみません……
黄瀬くんのターンが終わったら次は緑間くんですね。Aくんと高尾くんの再会(元同じ中学設定)に目を向けてみてください。
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作者名：赤紅 (あかべに) | 作成日時：2016年10月16日 15時
