192【黄が瞬いた鳴き声】 ページ26
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ボールは、海常の主将・笠松さんに渡った。
「んじゃまず一本！！キッチリ行くぞ！！」
笠松さんが人差し指を立て、片手でボールを地面に打ち付けた。
最初は慎重に行くのか。
まぁここで失敗なんてしたら流れ持ってかれ__________
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「______え？」
______瞬間、ボールが弾かれる音がした。
俺が目に留める暇もなく、いつの間にか、何故か、ボールが弾かれている。
「な……っ！？」
バァンッ。
そんな気持ちの良い音を立て、笠松さんの手からボールが消えた。
今ボールを持っているのは________
「黒子……っ！！」
…最初からぶっ放してくれるじゃねぇかこのやろ…！！
ドリブルでゴールへと向かうが、スピードが足りずすぐ追いつかれた黒子。
それを察知したのか意図したのか、ボールを床にバウンドさせて火神へとボールを渡した。
火神は足に力を入れ、ものすごい跳躍力を見せ付ける。
「くらえ……ッ！！」
誰もが目を見開いて驚く中、バキッと鋭い音を立ててダンクを決めてみせた。
「…ぅおわ、すげ……っ！！
…………ん？」
その物凄いダンクに気を取られて気付かなかったが……
火神の手元を見てみると、その手に握られていたのは壊れて外れたゴールリングだった。
「…って、おいおまっ……は！？！？」
「ゴールぶっ壊しやがったァ！？！？」
部員や俺たちが騒ぎ立てる中、火神は「おー」とリングを眺めた。
いやそれどころじゃねぇよ……ゴールリングぶっ壊すとか化け物だろ…！！
「あっぶね、ボルト一本サビてる…」
「いやそれでも普通ぶっ壊さねぇよ！！」
顔にリングをかざして、「思ったよりリングってデケーのな」なんて呑気なことを言う火神。
カントクも俺も、さすがにこれは予想していなかった。
「どーする黒子、コレ」
「どーするって…まずは謝って、それから…
……すみません、ゴール壊してしまったんで…全面側のコート使わせてもらえませんか」
火神と黒子が、海常の監督にそう言った。
俺と黄瀬がクスリと笑う。
「やっぱこいつら、面白れぇ…！」
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作者名：赤紅 (あかべに) | 作成日時：2016年10月16日 15時
