181【黄が瞬いた鳴き声】 ページ15
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話はそれで終わりかと思いきや、「それに…」とカントクが話を続けた。
「それに？」
「それに、海常高校は今年「キセキの世代」の一人…
黄瀬涼太を獲得したところよ」
黄瀬、涼太…
どっかで聞いたことのある名前だ。
「全国クラスの高校にキセキの世代が加わるなんて、強さは今までよりも格段に上がっているわ。
覚悟して挑んでね！」
カントクは笑顔で言うが、そんなニコニコ笑ってられるほど甘いことではないだろう。
こりゃ頑張らねーと…
チラッと横を盗み見ると、火神が目を輝かせて笑っていた。
…きっと、「まさかこんなに早く戦えるなんて…テンション上がるぜ！」的なこと考えてるんだろうな…
顔に出すぎだこいつ←
「しかも黄瀬ってモデルもやってるんじゃなかったっけ？」
と日向先輩が言った。
それでハッと気がつく。
「あー！！それか！！
どっかで聞いたことある名前だなーって思ってたんですけど、思い出せなくて」
モデルのキセリョ。
今若い女性の間で大人気、今を輝くトップモデル。
俺は芸能人にはあまり興味がないからよく分からないけれど、テレビで特集を組まれているのを見て黄瀬を知った。
俺でも知ってるってことは、相当有名なのだろう。
「すげぇ…」
「カッコよくてバスケ上手いとか酷くね！？」
「もうアレだな……妬みしかねぇ……」
周りからは不満の声が上がっているが、俺は純粋に凄いと思う。
部活やりながらモデルとか体力お化けだろ。すげーな。
そんな黄瀬に興味が湧き、
「なぁ、黄瀬ってどんなやつ？」
と隣の黒子に問いかけると、黒子は無表情のまま少し考え口を開いた。
「そうですね…
当てはまる言葉と言えば、
ウザい、うるさい、デルモ(笑)、駄犬、シャララ、金髪、ッス、っち、…ですかね」
「うんまって全然わかんない」
なんだそれ。
どんだけキャラ濃いんだよ…
「てか黒子毒舌…扱いひでぇな……」
「そうですか？黄瀬くんの扱いなんて大体こんなものですよ」
と真顔で言う黒子に噴き出しそうになってしまい、笑いを必死に堪えた。
そんな俺を澄んだ瞳の黒子が見据える。
目と目が合い、交わった。
「けど、一言で言い表せば……
目が痛くなるほどキラキラした、無邪気なゴールデンレトリバーですかね」
そう黒子が言った瞬間、俺の目には輝いた黄色が映し出された。
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作者名：赤紅 (あかべに) | 作成日時：2016年10月16日 15時
