104【過去と面影】 ページ30
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『なんで人間がこんなところに…』
『追い払わなくては…』
じりじりと近づいてくる動物たちに後ずさりをする。
「あ…その…違うんです…皆さんに危害を加えるつもりは…！」
そう言った次の瞬間、グルル…と僕を威嚇した狸が僕に飛びついてきた。
どうしよう。
このままじゃ襲われて……っ！！
『待て』
突然聞こえてきたその声に耳を傾ける。
動物たちはざわついて、『長が来たぞ』と次々に口にする。
「なに…長？……ひっ」
森の奥から、大きくて角の生えた動物が現れる。あれがこの森の長なのだろうか。
その長さんらしき動物は僕に向かって話しかけてきた。
『人間が此処に来るなど珍しいこともあったものだ。一体なぜ…』
「あああのっ！僕ッ道に迷っちゃっただけなんです…っ！別に悪いことをしに来たわけじゃ…」
僕に近づいてくるその声は、上の方から聞こえてくる。
『見たところまだ幼いようだが…我らに危害を加えようというのなら
放っておくわけにもいかぬ』
「…へ？」
……近くから見て気がついたんだけど…
大きな動物の頭の上に乗っていたのは、小さなハムスター。
こっちが長…だったみたい。
僕が目を輝かせていると、長さんはハッと気がつく。
『その瞳の色は…！……ふむ』
「へ…？」
『赤い瞳の人間…なるほど、あの「化け物」の類の者か。だとするなら俄然納得がいく』
長さんは淡々と話していく。
『普通の人間ならば、どう迷っても此処にたどり着くことなど敵わんだろうからな』
「え…」
”化け物”の類の者、とか…普通の人間とか…
何の話だろう。
『お前があの一族の者だというのなら話は早い。ついて来い、然るべき場所へ案内してやろう』
「は、はあ…」
言われた通り後ろからついていく。
どこに向かってるんだろう。
っていうかこの人、僕のことを「化け物」って呼んでたけど、何か知ってるのかな。
それにしても、面と向かって「化け物」って言われたの初めてだなぁ。
孤児院にいたころは陰で呼ばれてたみたいだけど、何か懐かしいや。
「(でも…)」
入ってくる言葉も少ないし、ちょっと気が楽かも。みんなには悪いけど、しばらくのんびり…
そんなことを思っていると、ぐにゃっとした感触が足から伝わる。
下を見てみると、アナコンダを踏んでいた。
「あ、あ…」
僕が謝る暇もなく、アナコンダは牙を剥きだす。
「うわああああああ！！」
恐怖のあまり大声で叫んでしまう。
ど、どうしよう…！
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赤紅 (あかべに)(プロフ) - 鯉さん» コメントありがとうございます…！そう言っていただけて本当に嬉しいです。これからも頑張りますのでどうぞ宜しくお願い致します> < (2016年8月21日 19時) (
レス) id: 6473e5a0d8 (このIDを非表示/違反報告)
鯉(プロフ) - この小説は大好きです!! これからも更新頑張ってください!! (2016年8月21日 19時) (レス) id: 586c815007 (このIDを非表示/違反報告)
赤紅 (あかべに)(プロフ) - 零07*さん» うああ、ありがとうございますっ…！すごく嬉しいです>< 頑張って更新します！ (2016年8月9日 20時) (レス) id: 6473e5a0d8 (このIDを非表示/違反報告)
零07* - この小説めちゃくちゃ面白いですね！！続きが楽しみです (2016年8月9日 16時) (レス) id: 6b42d2d23c (このIDを非表示/違反報告)
赤紅 (あかべに)(プロフ) - カルマくん、テツくん、キド大好き人間さん» あああコメントありがとうございます！！涙腺崩壊とか笑ったとか本当に嬉しいです…>//< 応援ありがとうございます。これからも頑張ります！！ (2016年8月7日 4時) (レス) id: 6473e5a0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤紅 (あかべに) | 作成日時：2016年7月9日 5時
