38【過去と面影】 ページ46
ｶﾞﾁｬ
「あの…シャワーありがとう…ござい、ました。」
途切れ途切れの敬語を使い、征十郎のお母さんにお礼を言う。
服は洗濯してくれてたようで、今は用意してくれた白い服を着ている。
汚しちゃったらたいへんだ。
まだ微妙に濡れた髪が雫を垂らし、首筋から肩にかけてあるタオルへと滑り落ちてゆく。
「気にしなくて良いのよ。さ、おいで」
と言われ、素直に側に行く。
すると、タオルで髪の毛をふいてくれた。
こんな風にされるの、ひさしぶり。
まだ優しかった頃のお母さんを思い出して、胸がじんと熱くなった。
何故なったかは分からない。
「(元のやさしいお母さんに戻ってくれないかな…)」
沢山の愛を貰い、自分も愛を渡していた。
それは「家族」として最高の形だったと思う。
まだ元に戻れるはずだ。
確信は無いけど、信じることしかできない。
大きな幸せや優しさを知ってしまったら、駄目だと分かっていても飢えてしまう。
「…………」
ワシャワシャと髪の毛を拭かれる。
心地良い。
「はい、終わり。少し乾かそっか。」
と言われ、どらいやーという暖かい風が吹いてくる機械で髪を乾かしてくれた。
お母さんが使ってるやつだ。
髪を乾かし終わると、征十郎が部屋から出て来た。
「終わった…？」
目を細めながら言う征十郎は眠そうだ。
時計を見てみると、もう9時。
もし誰にも見つかっていなかったら、俺は今頃寒さで震えていただろう。
「征十郎、まだ寝てなかったの？」
「だって…」
聞くと、俺を待っていてくれたようだ。
眠いなら寝てても良いのに。
「……あのね、Aくん。ちょっと話があるんだけど聞いてくれる？
征十郎も一緒に。」
椅子に座らせて貰って、征十郎のお母さんと向き合う形になった。
話って何だろう。
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赤紅 (あかべに)(プロフ) - RUANさんじゃないですか！！← いつもありがとうございます…！！頑張って続き更新します！！ (2016年5月11日 22時) (
レス) id: 02723e85f4 (このIDを非表示/違反報告)
*RUAN*(プロフ) - 凄く続きが気になります！！頑張ってください！！ (2016年5月11日 20時) (レス) id: 5d1d7a2d87 (このIDを非表示/違反報告)
赤紅 (あかべに)(プロフ) - ありがとうございます！！いつもコメントありがとうございます(´v` *)これからも引き続き頑張ります！！ (2016年5月8日 11時) (レス) id: 02723e85f4 (このIDを非表示/違反報告)
死神狐(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください (2016年5月8日 11時) (レス) id: d5f3e8d7c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤紅 (あかべに) | 作成日時：2016年3月14日 1時
