31【過去と面影】 ページ39
「A、またか？」
「…うん。」
大きな広い庭に、優しいお母さん。
其処は夢の様な場所だった。
また今日も殴られた。
お母さんに。
「っ…」
傷を庇いながら物置へと向かう。
殴られた後はいつも物置の隅の方で眠る。
家に居るとお母さんが怒るから。
そして今日もいつも通り物置へと向かった。
向かった筈だった。
「っ！！」ｶﾞﾝｯ
突然頭に鈍い痛みが走る。
後ろから何かで殴られた。
こんなこと初めてだ。
「(お母さんまだ怒ってる)」
と呑気にそんなことを考える。
確かに頭は痛いけど、この間思いっきりお腹を蹴られた時よりも痛くない。
だからへいき。
「はっ、はぁっ…」
お母さんが息を荒げる。
まだ怒ってるのかな。また殴られるのかな。
だけど、お母さんは殴らないで俺を掴んだ。
「え？お母、さ____」
「っ！！」ﾄﾞｻｯ
「此処で朝まで大人しくしてなさい。いい？絶対によ！？」
俺は近くの空き地に連れられて来た。
乱暴に投げ捨てられて、背中の傷が痛い。
「え、お母さん、此処どこ？ねぇ」
「うるさいわね…ここで声を荒げたくないの。黙りなさい。早く。」
「おかっ…！？」
突然頭が痛んだ。
さっき殴られた所ところだ。
外の冷たい空気に触れたことと、投げられて後頭部を地面に打ったことで痛んだのだろう。
「あ”…う、」
お母さんが元の道を戻って行く。
追いかけたかったけど、此処に居ろって言われたから。
せめて隅の方に行こうと足を動かすが、立てない。
頭が痛くて力が入らない。
ここで朝を待つ。
そう考えると少し怖かった。
「いたっ…ゔ、ぅ」
目に涙が溜まる。
駄目。泣いちゃ駄目。
泣いたらお母さんに怒られる。
「(たす…けて。誰か…っ)」
その『誰か』はいつも来てくれなかった。
誰でもいいから、此処から解放してほしかった。
友達もいない、勉強もできない。
親にも頼れないし、大人は嫌いだから先生も信じられない。
運動は好きだったけど、この傷の所為でできなくなった。
「もう……やだよ。」
そっと呟いたときだった。
「ねぇ。どうしたの？」
「_______え？」
俺の目の前には、優しそうな女の人が立っていた。
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赤紅 (あかべに)(プロフ) - RUANさんじゃないですか！！← いつもありがとうございます…！！頑張って続き更新します！！ (2016年5月11日 22時) (
レス) id: 02723e85f4 (このIDを非表示/違反報告)
*RUAN*(プロフ) - 凄く続きが気になります！！頑張ってください！！ (2016年5月11日 20時) (レス) id: 5d1d7a2d87 (このIDを非表示/違反報告)
赤紅 (あかべに)(プロフ) - ありがとうございます！！いつもコメントありがとうございます(´v` *)これからも引き続き頑張ります！！ (2016年5月8日 11時) (レス) id: 02723e85f4 (このIDを非表示/違反報告)
死神狐(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください (2016年5月8日 11時) (レス) id: d5f3e8d7c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤紅 (あかべに) | 作成日時：2016年3月14日 1時
