あの日の想い出 ページ6
A『あのね、ちょっと離れてたから会話は聞こえないし、表情もよく見えなかったけど、でもね、ヒチョルがこう、ぎゅーって里桜のこと抱きしめてね、もうなんか、きゃーって叫びそうになった(笑)』
先に車に戻ってきたAが、すごい勢いで、俺に2人のドラマチックな状況を教えてくれてる。
キュヒョン『とりあえず、良かった』
A『うん。良かった』
運転席の俺。後部座席のA。ヒチョルヒョンの車。
ヒチョルヒョンの恋が実った、こんなおめでたい時に、俺はあのデートの日を思い出してるなんて、薄情な弟なのかな。
昨日のことみたいにも思えるし、遠い遠い昔の出来事にも思える。
ヒチョルヒョンの想いが届いた日は、飛行機が欠航するくらいの雨。
俺の想いが届いた日は、秋じゃないみたいに穏やかで、あったかい晴れの日だった。
Aの中では、きっともう、過ぎた想い出。過去の1日。
俺の中で、あの日がまだこんなにも光を放ってるだなんて、想像もつかないんだろうな。
A『キュヒョン?眠い?』
キュヒョン『・・いや、ちょっとぼーっとしてただけ』
Aのこと、俺はまだ好きなのかな。
後ろから俺を覗き込むAを見ながら、考える。
あの日と同じ気持ちかって言われたら、そうじゃない気がするけど、こうしてあの日を思い出してしまうこと自体、想いは消えてないって証拠だよな。
キュヒョン『やっぱり眠い』
A『わ。ちょっと(笑)』
運転席と助手席の間から無理やり後部座席に行って、ごろんと膝枕。
キュヒョン『減るもんじゃあるまいし』
俺への想いは、随分減っちゃったみたいだけどな・・。
A『・・・ねぇ、なんか、デートした日、思い出すね』
キュヒョン『ん?あぁ・・そういえば、そうかも』
うん。俺も思い出してたよ。
って言えないのが、まだ好きだってことなんだろうか。
A『キュヒョンの髪の毛、ふわふわ』
キュヒョン『・・・やめろって』
あの日と同じように髪に触れられても、あの日みたいなひどい切なさは無い。
代わりに、きゅっとした多少の切なさと、心地よさ。
・・・俺も少しずつ、ちゃんと前に進んでるってことか。
ラジオで思わず、ファンを敵に回しても守るって言っちゃうくらい、
空港で人目も気にせず抱きしめちゃうくらい、
そんな恋が、いつかできるまでは・・このまま、心の片隅に・・。
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かえぴー(プロフ) - コメント失礼致します!part12のパスワード教えて頂きたいです! (2020年8月26日 11時) (レス) id: 144fba6750 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - aquaさん» 返信が遅くなりすみません。メッセージ送らせていただきましたので、ご確認お願いします! (2019年6月15日 17時) (レス) id: fc678f4861 (このIDを非表示/違反報告)
aqua(プロフ) - 初コメ失礼します! 12話のパスワード知りたいです!! (2019年6月1日 2時) (レス) id: 99eb1a0052 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - もうすぐギュッたんが帰ってきますね。完全体のSJが見たいですね。ハン様の近況はたまに見れるけどやっぱりヒニムのそばで笑うハン様が見たいです。 (2019年1月16日 6時) (レス) id: ddaab80a3d (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - 慧さん» お久しぶりです^^*コメントありがとうございます。個別にメッセージ送りましたので、よろしくお願いします。 (2019年1月16日 5時) (レス) id: 58419b658d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひらり | 作成日時:2011年9月22日 9時