番外編�� ページ44
.
｢はァ？｣
ガヤガヤと喧騒の声や歓喜の声などで賑わう甲板
ロジャー海賊団は宴を催していた
その中で、赤い髪と赤い鼻の2人が並んで酒瓶を開けている
｢だからよォ、てめェはリアンが好きなのかっつってんだ｣
同じ質問を繰り返したバギーに、シャンクスはポカンと呆けたように口を開ける
何言ってんだこいつ。とコレである
｢普通に好きだぜ？仲間だしな｣
｢そーゆー意味で聞いてんじゃねェよ｣
まぁ勿論、そんな事はシャンクスも分かっている
そして、自分が特別な感情をリアンに抱いている事も知っている
｢…ダメ、だからな｣
酒瓶を煽りながら、甲板の隅で煙管を蒸すリアンを視界に入れる
その慈愛に満ちた目はどこか諦めを含んでいて、自身でそれに気付いているシャンクスは目を細め、酒瓶を音を立てて置いた
｢(アイツが、許してくれるわけねェだろ…)｣
リアンは、自分の事には無関心で、怪我を負おうとも構わず壁に突っ込んでいくような、そんな人間だ
普通ならば恐怖で足が竦むような状況でも、ヘラヘラと笑いながら堂々と立つのだ
いつも、自分の前を行く
ロジャー船長の一歩後ろを、その背を守るように、警戒心の無さそうな笑顔で歩く
｢笑っちまうよな…｣
｢あァ？誰の鼻を見て笑うって？｣
｢…てめェだよバギー、赤っ鼻が｣
｢ンだとこの赤髪野郎が！｣
突っかかるバギーを無視して、またリアンに視線を戻す
今度は海を眺めていて、その後ろ姿が海に吸い込まれる気がしてシャンクスは立ち上がった
その際足に当たった酒瓶が倒れ、中身が零れたけれど
｢リアン！｣
叫ぶように名を呼び、パシッと腕を掴めば驚いたように目を丸くさせて振り返る
自分より背の高い彼女の肩に頭を置き、荒れた息を整える
掴んだ腕は離さない
『シャンクス？おい、どうしたんだよ』
宥めるように、掴んでいない方の手が背を撫でる
分かっている
自分がリアンに惚れている事も
その想いを伝えても、リアンは俺を思ってありがとうと笑うだけだと言うことも
……ーーー不老不死のコイツが、自分に惚れられる事で苦しむのだということも
｢悪ィ…｣
今はこうさせてくれ
小さかった言葉は聞こえたのか、1度背中を撫でる手がピタリと止まってから、またゆっくりと動き出す
『俺は死なねェよ』
呟かれた台詞にキリリと胸が痛んで
.気持ちが溢れてしまいそうで
(迷惑なだけなのは分かってんだ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 315人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
祥(プロフ) - ティコ。さん» では番外編で書かせていただきますね。 (2018年3月30日 10時) (
レス) id: cb00cb1df7 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - 祥さん» どちらでも、好きな方で構いません (2018年3月30日 7時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
祥(プロフ) - 動物大好きさん» ありがとうございますっ 了解しました！ (2018年3月30日 2時) (レス) id: cb00cb1df7 (このIDを非表示/違反報告)
動物大好き - 内容はマルコ×夢主の話の中であった夢主がマルコに抱きついているのを見て嫉妬する感じがいいです。 (2018年3月30日 2時) (レス) id: c75e63e926 (このIDを非表示/違反報告)
動物大好き - すいません、またリクエストです。イゾウ×夢主をお願いします､番外編で書いてください｡ (2018年3月30日 2時) (レス) id: c75e63e926 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：祥 x他1人 | 作者ホームページ：http://Nano
作成日時：2018年2月15日 6時
