第十八話 嘘と本音 ページ19
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シャンクスに撫でられた頭に触れてキョトンとしているリアンは、レイリーが揶揄うように笑ったのが聞こえて意識を戻した
『俺、アイツより大分年上の筈なんだが…』
｢わはははっ！良いじゃないか！リアンはつい撫でたくなるのだよ｣
いつもより豪快に笑ったレイリーに驚きつつも、撫でたくなるとはどういう意味かと反論する
それはチビだと言いたいのか、子供っぽいと言いたいのか、何れにせよ気分は良くないだろう
｢言葉にするならば、守りたくなる、と言うのが妥当だろう｣
全く想像してなかった言葉に目を瞬かせたリアンは、数拍遅れてから驚いたような声を上げた
守られる程弱い気も無いし、仮にそれが理由だとして、頭を撫でるに繋げるには些か強引な気がする
しかし、そんな事をレイリーに言ったとして、上手く躱されるのは目に見えているので、リアンは不愉快そうに顔を顰めるだけで留まった
｢さ、包帯を変えよう｣
おう、と答えながら服を脱ぎ、してあった包帯を取る
本当は、こんな所を刺されたら死ぬのだろうし、例え死ななくても治りはとんでもなく遅い筈なのだ
しかし、自分の傷がもう閉じかけているのを見て、リアンはそっとそこに触れると、痛むのも無視して撫でつけた
不老不死で、生きていれば誰しも持つ欲求を持たないリアンは、痛みでしか生を感じられない
別にそれをしてまで生を感じたい訳でもないが、今回ばかりは死を無視した自分の存在が恐ろしく思えた
｢リアン｣
低く咎めるような声で名を呼ばれ、手を離す
パッと顔を上げれば、声とは反対に優しく微笑んでいた
レイリーはよくそうやって微笑むが、その真意など分からない
『…何も思ってねェよ』
｢傷が治るのはいい事だろう｣
なのにそれを悪化させるようなことをするなと、そんな辛そうな顔をするなと、そう言うのだ
リアンの今の状態で1番堪えるのは、夜だ
全員が寝静まった船の上で、自分だけが起きている
真っ暗な海の中に、自分だけが隔離されているような感覚に陥るのだ
『なァ、レイリーさん』
包帯を巻こうとしたレイリーの腕を掴んで、そのまま腰に抱きつく
感情を忘れたいと思った
一時でも、1人では無い事を確認したかった
『辛いんだよ…怖いんだよ……なァ…！』
溢れ返る涙は、何故出ているのか分からない
ただ人を望んで
『1人に、しないで……！』
それは、初めて出たリアンの本音
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第十九話 それはまるで鬼のように→←第十七話 自己犠牲的考え
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祥(プロフ) - ティコ。さん» では番外編で書かせていただきますね。 (2018年3月30日 10時) (
レス) id: cb00cb1df7 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - 祥さん» どちらでも、好きな方で構いません (2018年3月30日 7時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
祥(プロフ) - 動物大好きさん» ありがとうございますっ 了解しました！ (2018年3月30日 2時) (レス) id: cb00cb1df7 (このIDを非表示/違反報告)
動物大好き - 内容はマルコ×夢主の話の中であった夢主がマルコに抱きついているのを見て嫉妬する感じがいいです。 (2018年3月30日 2時) (レス) id: c75e63e926 (このIDを非表示/違反報告)
動物大好き - すいません、またリクエストです。イゾウ×夢主をお願いします､番外編で書いてください｡ (2018年3月30日 2時) (レス) id: c75e63e926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥 x他1人 | 作者ホームページ：http://Nano
作成日時：2018年2月15日 6時
