＃５３ ページ13
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お前ら2人共頭冷やしてこい、と。蹴られて海まで飛んだのは、私とサンジ
聞こえたパリンという音は、ログポースが壊れた音だったらしい
どぼんっ。水に沈むような音と共に、一気に体から力が抜ける
酸欠で視界が霞んできた頃に体が抱き寄せられ、ふ、と目元を緩めた
『｢｢｢ぷはっ｣｣｣』
サンジに陸へと引き上げられ、何故か4人分の声が重なり隣を見れば、さっき海へと投げ捨てた2人
まぁ此奴は女の人…ミス・ウェンズデーの方に行くだろ、と全身が陸に上がってから倒れたままに目を閉じる
は…っ。乱れた息を必死に整え、濡れた髪をかきあげれば、何故か目の前に立っていたサンジに目を瞬かせた
『え、なに？』
｢…いや｣
煙草湿ってて使えないから貰いに来た、とかか？
生憎私も落とされたんだから、持ってた煙草全部濡れて使えないよ
｢ほら、｣
中々に可愛げのないことを考えていれば、手を差し出されて戸惑いつつもソレに捕まる
グイッと立ち上がらされ、たと思えば何故かそのまま抱きしめられて本当に訳が分からなくなった
『…何がしたいのよ』
その問いに対する返答も無く、ただ抱きしめられている状態に気恥ずかしくなって目をキョロキョロと彷徨わせた
｢あー…｣
とんっ。肩に置かれた頭におずおずと手を伸ばし、ぎこち無く撫でればふっ、と笑ったのが空気で分かった。
｢…かわい｣
小さく、本当に小さく呟かれた言葉は無意識だったのか
普段言われなれないことを言われれば、流石の私も普通に照れるのだけれど
綺麗
それは何度でも言われてきた
それがたとえ嘘だとしても、体目当ての言葉だったとしても
耳に慣れてしまった言葉に、今更相手の望むような反応はできなくて
でも、サンジに言われる可愛い、は、何故か、
『…バカね』
｢あ？｣
『あたしは、可愛いなんて言われても、嬉しくないのよ』
胸に、染み渡って
『バカ』
ぽすり
軽くお腹を殴れば、くっく…っ。喉で笑うサンジの胸に額を押し付ける
｢バカはお前だろ｣
そう言って耳に口付けられて離れていったサンジをぼーっと眺める
唐突に振り返ったその背にビクリと肩を揺らせば、べーっ。子供か！と怒鳴ったのは仕方ない
仕方ない、のだ
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Mana - このお話めっちゃ好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月30日 17時) (
レス) id: ecb2e4c19d (このIDを非表示/違反報告)
abcvstpumivwyk(プロフ) - このお話すごく好きです！更新待ってます頑張って下さい(^^) (2020年4月7日 8時) (レス) id: f350cb33ca (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - とても面白くて大好きです！これからも応援してます！ (2019年8月18日 18時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
こん(プロフ) - めっちゃ面白いです!!続き待ってます! (2019年4月1日 11時) (レス) id: a9d22d7cfb (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 続きが気になってとてもワクワクしています！ (2019年3月18日 21時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥 x他1人 | 作者ホームページ：http://Nano
作成日時：2018年1月26日 23時
