45話 ページ7
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あいつは偶に、そのまま消えちまうんじゃねェかって思わせる
その度に俺は、引き留めようと必死になるのに、あいつ自身は気づいてなくて
滅多に見せない華が咲いたような笑みを見せて手を振るんだ
「…くっそ、」
部屋を出て、暫く歩いてから窓台に手を付く
俺を見て目を細めたあいつは、俺を見てるようで見てなかった
その後自然に首のチョーカーに触れて、薄く笑って
何でそんな泣きそうなんだよ
何でそんな諦めた顔してんだよ
分かんねェよ
言ってくれなきゃ、分かんねェから
だから、俺はずっと待ってんのに
「教えろよ、」
あいつの事が知りたい
体を許してくれて、凄ェ嬉しいのに
あいつは、手を伸ばせば届く距離に居るのに
するりと躱して突き飛ばされそうで
望んでるのは俺じゃないのか、俺なのか
全く分からなくて、腹が立つ
あいつの頭にはずっと残ってる奴が居て
俺はその代わりに過ぎなかったら
あいつに望まれてるのは、ちゃんと俺なのか
分からない
分からないから
教えて欲しいのに
「…はは、」
俺、お前の事なんも知らねェな
なぁ
A
いつになったら、教えてくれる?
いつになったら
どうやったら
信用してくれる?
______
___
『ドラゴンさん、お呼びですか』
「あァ、A。任務だ」
持っていた書類を置いて、ドラゴンさんが顔を上げる
淡々と伝えられる内容に頷き、はい、と返事をすると、急に笑われた
「文句を言われると思っていたがな」
『…別に。ドラゴンさんの決定には従うまでですので』
多分、サボの遠征の件についてだ
多分というか絶対そうだ
私がここで文句を言ったところで変わらないだろうし、そんな無駄な事をする必要性が分からない
そうか、と静かに笑ったドラゴンさんに一礼して部屋から出る
控えていたクロカが革ジャンを渡してくれて、袖を通した
「直ぐ向かいますか?」
『いや、1回サボに顔見せに行くからクロカは荷物の準備してて』
「御意にございます」
私は食堂の方へ、クロカは部屋へと別れる
くあ、と欠伸を漏らしながら歩いていれば、誰かにぶつかった
『ギルさん、』
「あァ、Aか」
おでこを抑えながら見上げれば、見覚えのあるカンガルーのような帽子
相変わらずイカつい顔をしてるテリー・ギルテオ
通称ギルさんが煙草の煙を燻らせていた
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noppi(プロフ) - 続きが楽しみです!! (2022年11月22日 2時) (レス) @page31 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン - とても面白いです!!続きがとてもきになります!更新頑張ってください!! (2022年8月24日 16時) (レス) @page25 id: dbceaaed1c (このIDを非表示/違反報告)
リーフ - 面白すぎて一気読みしちゃいました…!!続きめちゃくちゃきになります!!更新頑張ってください!! (2022年7月15日 22時) (レス) @page24 id: 3fbf61d899 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - エース助かってほしいですね!これからも無理せずに頑張ってください! (2020年7月7日 17時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
祥(プロフ) - れもんそーださん» んんんん本当にありがとうございます……!くそみたいに亀よりコアラとかナマケモノぐらいの更新速度ですがお付き合いいただけると嬉しいです……!!! (2019年12月6日 9時) (レス) id: d253b47002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祥 | 作者ホームページ:http://Nano
作成日時:2018年1月6日 19時