HYDE少年 ページ6
「お邪魔しまーす！」
元気良く飛び込む黄泉に続き、「お、お邪魔します……」と控えめに入るトーヤ。
「お邪魔しま――」
「クロエも入るのかよ」
「どうぞってさっき言ってたでしょう。ちょっ、ドアを閉めようとしないで下さい！」
クロエだけ頑なに家に入れまいとしながら、少年はちらりとトーヤを見やった。
「あんたが依頼人？」
「え？あ、まぁ……そんな感じです」
「ふぅん……」
特に何かを思った風にも見えず、少年はリビングに彼らを通した。
「適当に座って」
「お邪魔します……ちょっと、せめてリビングには入らせて下さいよ」
「良いけど、その辺で立ってて」
「酷い扱いですね……」
はぁ、とため息をつくクロエ。この少年も協力者だろうか。
「で、依頼って何。人探し？女の子でしょ。消えてから何日も経ってるのに、何で焦ってないの」「えっ、えっ？」
一度に様々な事を言い当てられ、トーヤは思わず焦った。自分は要件すら言っていないのに。
「分かるんだよ。僕に見つけて欲しいんだろ。……見せて」
「え？」
「写真だよ、その子の。持ってるでしょ？」
トーヤは慌てて写真を取り出す。もしやこの少年はエスパーなのでは、と本気で思った。
「……咲良。良い名前だね」
「え……な、何でそんな情報を？……もしかしてさっき言ってた“能力”ってのに関係が？」
トーヤの疑問を軽く鼻で笑い、少年はクロエの方を見た。
「後でちゃんとお金払ってよ。前は結局、払わず仕舞いだったろ。その前もその前も」
「分かってますよ。……報酬がどうこう言う割に、毎回きちんと協力してくれるのが、貴方の良い所じゃないですか」
「言っておくが、僕が協力してるのはクロエじゃなく、あくまでも黄泉さんだからな」
まぁまぁと黄泉が制止する。少年は再びため息をつき、写真を床に置いた。そして手を翳すと、瞑想するかのように目を閉じ、やがてゆっくりと口を開いた。
「……大丈夫そうだよ。奴ら、危害を加える気は
ないみたい。……場所は」
おもむろに少年はポケットから地図を取り出し、或る1箇所を指した。
「……ここ。……早く行かないとまずいかもね。……心当たり、あるんだろ？」
トーヤは若干、言葉に詰まった。この少年は本当に、全てが分かるのか。
「あの……君は、一体……？」
「ハイドでいい」
灰色のジャージ姿の少年は、照れくさそうに目を逸らした。
「では、助けに行きますか」
「オー！」
3人は、目的地へと向かった。
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くろーさぎ(プロフ) - ありがとうございます！！これからもよろしくお願い致します♪ (2019年4月26日 19時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
奈狐(プロフ) - 語彙力が凄く羨ましくです…面白いですね！ (2019年4月26日 19時) (レス) id: 70cd26f670 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ありがとうございます！！嬉しいです……！！ (2019年4月22日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたそ(プロフ) - 私の小説より面白いです。語彙力あってうらやましいＺ！(*≧∇≦)ﾉ (2019年4月21日 18時) (レス) id: 0d77839cd9 (このIDを非表示/違反報告)
ミーシャ - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/ilodoli/ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
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