帰路についたら ページ12
「茜！ごめん、先生に用頼まれちゃって。今日は一緒に帰れないや」
両手を合わせる葵に「了解！頑張れ！」と返し、一人校舎を出た。
(一人で帰るの寂しいなぁ……まぁどうせ途中までだけど。……あ)
校門の前に居たのは、クラスメイトの村崎さん。
「あの……」
「……」
彼女は少し驚いたようにこちらを見たが、フイッと顔を背けてしまった。
「同じ方向でしょ？一緒に帰らない？」
「……、何で私？」
怪訝そうな顔を向けられる。やっぱり無理か、と私は諦めて言った。
「いや、良いよ。ごめんね、また明日」
若干の気まずさを感じつつ、私は彼女と別れた。
＊
(村崎さんってクールで無表情で、何考えてるか分からないんだよなぁ)
そんな事を思いながら、いつも葵と別れる道まで来ると、
(あれ？あの子……)
私と同い年くらいの少年らしき人物を見かけた。一瞬近所の子かとも思ったが、それにしては西洋的というか、現実味のない人だ。
「水色の目の男の子なんて、こんな所にはいないよね……」
キョロキョロしていたその相手は私に気づくと、あっ！と声を上げた。
「……茜さん……！！」
まるで想い人を見つけたかのように嬉しげに、彼は私の方へ駆け寄って来た。
「茜さん！！茜さんですよね！？」
「え？え？」
少年に手を掴まれ、ぶんぶんと上下に振られる。
「わぁ〜……お久しぶりです！！また会えて本当に嬉しいです！」
「え？えっと……アンタ誰？」
目をキラキラさせていた少年は、途端に「え？」という風な表情になった。
「誰ってボクですよ、
「いや、待って。ほんと誰。水月って誰」
こんな奴全く見覚えがない。一瞬どこかで見たのかもしれないと思ったが、こんな日本人離れした外見の男子がいたら絶対に覚えてる。
「覚えてますよね？水月ですよ。ボクの事忘れてないですよね？」
「……忘れるも何も、心当たり無いんだけど」
「そ、そんな……！！」と、水月はかなりショックを受けた様子。
「で、でも、今忘れてしまってるだけかもしれませんし――」
「おーい！」
遠くから声がした。水月が、あっ、と声を出す。
「はーい、今行きます！……先輩が待ってくれてるので、帰ります。また会いましょうね！」「え、ちょっ……」
向こうに見える白い人物に、水月は駆けていく。
「何だったんだろ今の……」
私はしばらくその後ろ姿を、呆然と眺めていた。
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くろーさぎ(プロフ) - ありがとうございます！！これからもよろしくお願い致します♪ (2019年4月26日 19時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
奈狐(プロフ) - 語彙力が凄く羨ましくです…面白いですね！ (2019年4月26日 19時) (レス) id: 70cd26f670 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ありがとうございます！！嬉しいです……！！ (2019年4月22日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたそ(プロフ) - 私の小説より面白いです。語彙力あってうらやましいＺ！(*≧∇≦)ﾉ (2019年4月21日 18時) (レス) id: 0d77839cd9 (このIDを非表示/違反報告)
ミーシャ - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/ilodoli/ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
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