―第1章― 日常編 ページ11
私は赤松茜、高校1年生。
中学を卒業して都会に引っ越し、花の高校生活を送っているのだが……。
「眠い……」
「はは、どしたの赤松ちゃん？」
毎朝隣のクラスから遊びに来る私の友達･美土里が苦笑して言う。
「いや、寝不足だよ……」
「ちょっと、夜更かししちゃ駄目だよ？」
横から母親みたいな事を言ってくるのは、親友でクラスメイトの葵。
朝から私の席でお喋りするのが、私達の日課だ。
「実は昨日、夜中にお客さんが来たみたいでさ。で、何かバタバタしてるなーと思ったら、寝られなくなっちゃって……」
「夜中に？お客ってどんな？」
葵に問われ、私は1階から聞こえてきた会話を思い出す。
「……多分、仕事の人じゃないの？飲んで帰って来たら、車の中で寝ちゃったみたいな感じだったっけ」
「仕事って、茜のお父さんの？」
葵の質問に、私はちょっと言葉に詰まりかけた。
「……あー、うん。多分ね」
「そいやウチさ、赤松ちゃんのパパとママ、見た事ない気がすんだよね」
美土里は独特のギャルっぽい口調で言った。葵が「そういえば、私も……」と同意する。
「前の授業参観には来てなかったよね？学校行事にも来てなかったし……」
「てかさ、ぶっちゃけ何のオシゴトやってんの？赤松ちゃんの両親！」
「それは……」
これは……返答に困るな。
「えーと……別に、大した仕事じゃないっていうか……ってか、私も詳しくは知らないんだよね。でも何か、お店やってるみたいだけど」
「何のお店？」
やばい、めっちゃ訊いてくるじゃん……！！
焦る私は、どんどん言い訳が下手になっていく。
「……さ、さぁ？何か、あんま教えてくれないから分かんないなぁ……開いてるの夜だし。私は入ったら駄目らしいし……」
やばい。何を言ってるんだ私は。これではまるで夜のお店を開いてるヤクザの娘みたいだ。焦った私に、美土里があっけらかんと告げた。
「あー、じゃあウチんとこと赤松ちゃんの親同業者だわ。ああいうお店、入らせてくんないよね、子供の教育に悪いとか言ってさ。んなのとっくに知ってるっての！」
けらけら笑う彼女は、やたら他人より髪型も服装も派手だと思っていたが……もしかしてそういう家系の人！？
その時、私達の所にやって来たのは、クラスメイトの山田伊吹。
「そこ、俺の席だぞ。ホームルーム始まるだろ」「あ、んじゃーウチ帰るわ！じゃ！」
葵達は戻っていき、縁無し眼鏡の伊吹も座り、私は一人、猛烈な眠気と戦い続けるのであった。
ラッキーアイテム
ノート
ラッキーカラー
桃色
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くろーさぎ(プロフ) - ありがとうございます！！これからもよろしくお願い致します♪ (2019年4月26日 19時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
奈狐(プロフ) - 語彙力が凄く羨ましくです…面白いですね！ (2019年4月26日 19時) (レス) id: 70cd26f670 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ありがとうございます！！嬉しいです……！！ (2019年4月22日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんたそ(プロフ) - 私の小説より面白いです。語彙力あってうらやましいＺ！(*≧∇≦)ﾉ (2019年4月21日 18時) (レス) id: 0d77839cd9 (このIDを非表示/違反報告)
ミーシャ - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/ilodoli/ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
