４話 ーかわいいー ページ4
僕は元々思わせぶりな人間で、それを楽しんでいて、
”かわいい”という言葉を使うことなんて、”おはよう”と同じくらい軽い言葉だ。
ただ、人によってはそれが、魔法の言葉になることもあるらしい。
ーかわいいー
MJ「なぁA、カラオケ行こうぜ！」
「やだって！私歌下手だって言ってるじゃん！」
RC「Aって歌下手なの？」
「私めっちゃ音痴だよー笑」
RC「逆に聞きたい、聞いてみたい笑 俺らも一緒につれっててよ！カラオケ！なぁ？サナ？」
学校生活が本格的に始まって、ラキとMJがすぐに仲良くなった。
その流れで、僕もMJと仲良くなって、ラキはAちゃんと仲良くなった。
という流れから、ジンジンも誘って、クラスの他の女子もくることになって、なんだか大人数でカラオケに行くことになった。
MJ「はい、じゃあAの番ね。曲は俺が選んでやる！」
アップテンポのラップ多めの曲が流れる。
嫌がっていたAちゃんがマイクを受け取った瞬間、急にスイッチが入ったように歌い出した。
部屋中どっと笑い声に包まれる。
よく分からないフリ付きで、合っていないリズムで歌い続ける。
僕もお腹を抱えて爆笑していた。
MJ「キャキャッキャっ！！！さすがA！笑
最高に盛り上がったわ！」
RC「なんか、この曲ってこんな曲だっけ？笑」
「ねぇ、らきくん。私のこといじり出すペース早くない？」
RC「ん？だって、いじられるの好きなんでしょ？MJが言ってたよ。笑」
「まぁ、嫌いじゃないけど…笑」
MJ「じゃあ次俺ー！」
雰囲気がいい状態で、カラオケパーティーが始まった。
僕はトレイに行くために外に出たとこで、クラスメイトの女子に引き止められた。
大体の目的はわかっている。
「サナくん。カカオトーク交換しない？」
やっぱり。
YS「いいよー。僕、返信遅いけどいい？」
「全然いいよ！ありがと」
カカオトークを交換し、その子はカラオケの部屋に戻っていった。
僕はトイレに向かうため、部屋の先の角を曲がった。
YS「あ」
「あ」
Aちゃんが気まずそうな顔で角に立っていた。
「ごめん。盗み聞きするつもりなかったんだけど、トイレから戻ろうとしたら出くわしちゃって」
YS「普通に入って凝ればよかったのに笑
ってか、Aちゃんて面白いよね笑」
「あー、さっきの？笑ってくれありがと。笑
私可愛いって100回言われるより、１回面白いって言われる方が嬉しいんだよね笑」
「そーなの？かわいいのに」
５話 ーキューピッドー→←３話 ー明るくてモテなさそうな君ー
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作者名：ナビ | 作成日時：2022年11月17日 22時
