高城くんの恋愛事情【８話】 ページ10
一応高城さんsideです。
「にーちゃん、起きないとオヤジに殺されるよ」
お腹に違和感を感じながら目開けると、真顔の弟がそう言った。
「……勝手に人の部屋に入ってくんな」
二度寝しようと弟を追い出そうとするが弟は現役不良の反抗期。そう簡単に戻るわけがない。
「二度寝するならその前に俺と
(素手喧嘩とは、武器を使わない素手の喧嘩)
うぜえ、まだ妹が起こしに来る方がマシだ。そう思っていると妹がドアを開けて入ってきた。
「あ、おはよう」
弟が多分さっきまで寝ていただろう妹に挨拶をする。
「おはよう？そんな生易しい言葉じゃ
この美しく優雅で壮大な朝は語れないよ
伝えたければ、囁きな「Welcome world of the light」ってさ」
うぜえ、どっちみちうぜえ。
「今日は行かねえ」
そう言って椅子に座ると、弟と妹が騒ぎ出した。
妹の説教のような中二病語りがウザくなり、
窓の外を見てみるとそわそわしている“一見普通”の女が居た。
「……仕方ねえ、行ってやる」
自分でも気持ち悪いくらいニヤニヤしながら言った。
「「にーちゃん、気持ち悪い……」」
引き気味に言う弟達を無視して、急いで家を出る。
「あ……」
思ったより、玄関の近くに居て驚いて一時停止するも目的を思い出し、睨み気味で言う。
「お前、昨日も居たけど……なんか用？」
女の顔は触れたら火傷しそうなほどの赤面をしている。
急にこっちを向いたと思えば、口をパクパクさせている。
「あ、あのですね……す、す、す、すぁぁぁぁぁあ！」
余程恥ずかしかったのか叫びながら逃げて行った。
「相変わらず、元気有り余る性格だな……有栖川」
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作者名：アルル・エリ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年4月27日 0時
