有栖川くんの恋愛事情【プロローグ】 ページ2
2X X X年
一部の人に同性愛は認められるようになって来た。
そして、あいつに出逢ったのは今でも忘れられない“あの雨の日”。
1年の時の夏休みの補習の日……
運悪く雨だった。傘が無くて、一人でポツンと立っていた。
もう、諦めて走ろうかと思った時。
「おい、お前……傘忘れたのか?」
いつもクラスの外側で俺とは真逆のタイプの『高城 純也』だった。
A「あ……うん。今日は星占い最下位だったから……」
だから、ラッキーアイテムの『手作りクッキー』を朝から作っていたら、遅刻した。本当に運が悪い。
純也「そんな事信じてんの?……小学生かよ」
A「失礼だな!高城と同い年だ!」
俺がそう言うと、高城はいつも半目な目を大きくして驚いていた。
純也「お、俺の名前……覚えてんの?」
A「当たり前だ、クラスメイトの名前は知ってる!」
すごいだろ?と自慢するように仁王立ちをするが小さくて様にならない。
純也「……お前よく見ると、女みたいな顔してんな」
俺の頬を優しく触りながら言った。
A「ん……よく言われる」
触れている手が心地よくて、いつのまにかスリスリしていた。
純也「帰んねえのか?」
A「帰るけど……こんな大雨じゃ「この大雨じゃ、傘さしてても一緒だろ」
そう言って、高城は雨の中バカみたいに雨に向かって走った。
A「確かに、一理あるなっ!」
俺もテンションが上がってきて、教科書が濡れないようにカバンを前にしながら、高城に追いつくように走った。
まぁ、次の日は俺だけ風邪をひいて、休んだ。今でも思う“バカだ……”と。
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作者名:アルル・エリ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年4月27日 0時