【H×H】賽は投げられた６【イルミ】

どこへでも ページ21

カルトからの嬉しいお言葉をもらい、それをイルミが横目で見て、家族みんなでご飯をつついて、お話して。
ゾルディック家ってこんなに人間味のある家庭だったか…？もっと冷徹な家庭を想像してたけど、それとは裏腹に実は温かい家族だったのかもしれない。









「A、お主が作ったこの毒抜きのローストビーフは絶妙じゃのう」









「えっ本当ですか！？ありがとうございます！！」









「たまには毒抜きの料理も良いかもね」
「この肉うめぇな！！今度また持ってきてくれよ！！」
「この味付けなら先週仕入れた毒がきっと合うわ！！」








…最後のは聞かなかったことにしよう。
今のでどれだけあなた方が毒抜きご飯に感激してるかが見て取れるわ…
毒耐性って効かないだけで、ちゃんと舌や食道でそれなりの痛覚はあるからそりゃあ痛覚のない美味しい物が食べたいもんね…









「ふふ、いいよ。今度また持ってきてあげるね。」









「やった！！なぁA！プレゼントはちゃんと持ってきたか！？」









「こらキルア！！不躾な物言いはやめなさい！！」









「いいんですよキキョウさん。





約束通りちゃんと持ってきたよキルア！！」









まだ念が使えないキルアに見えないように、隠をしておいたスケボーを出した。どこに念能力使ってんだって話だけどそんなの気にしない気にしない。
ご家族の皆様も私のプレゼントに興味津々で、私とキルアを囲むように覗き込んでいる。









「はいこれ、キルアにプレゼント！お誕生日おめでとう！」









「これ…見たことある！確か上に乗って移動するやつだろ？」









「正解！これに乗って、何処へでも行くといいよ！！」









「…！！」









もしかしたらこの中に私の暗示に気づいた人もいるかもしれない。
居たところで後で私に釘が刺されるだけで、大事なのはキルアにこの言葉の意味が伝われば良いのだ。
"何処へでも行くと良い"
私はこの言葉に「家を出たければ出れば良い」というような意味を隠した。

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