【H×H】賽は投げられた４【イルミ】

お買い物 ページ10

「マチは好きな食べ物ある？」






「………そんなもの聞いてどうするんだい？」






「せっかくだから、ご飯でも食べながら話しようと思って！



ね、ある？」






「………べつに。あるものならなんでも食べる」






「なるほど。


好き嫌いがないんだね！
フェイなんかはピーマンが嫌いでね、食事が出た時はピーマンだけ端っこに追いやってたんだよ。



マチは偉いなぁ…」









「………名前で呼んでいいなんて言ってない」






「じゃあフェアになるようにマチもAって呼んで欲しいな。」









「………………あんた話通じないの？」








………さっきから心にグサグサと棘が刺さりまくってるけどなんのこれしき。
今トイレを終えた私たちはふたりっきりで(ここ大事)2人っきり、でお買い物してるのですから！！！！！！！






「うわすっご…！見たことない野菜ばっかり…









って、あっマチ！！今盗ったでしょ」









「………だから何」









「盗るなら私の買い物かごに入れなさい！！

お金なら持ってるからわざわざ盗む必要ないよ」









マチは「戻しなさい」と言われると思っていたからなのか、私の返事を聞くと「えっ？」という顔をしていた。
天空闘技場で稼いだお金は特に使いたい道もなかったので、この子達への投資にしようと考えている。

マチは盗ったリンゴを見つめると、しばらくして無言で私のカゴにそっと入れた。









「ん。いい子だね」









そっと頭を撫でてあげようとすると、サッと避けられた。
避けるというより、条件反射でバッと避けたと言った方が近い。
頭を撫でられるという行為に慣れてないここの子達はみんな最初はそうするんだとこれでわかった。








「………大丈夫。頭を撫でるだけだよ。」





「……………会ったばかりのあんたに、なんでそんなことされなくちゃいけない？」








「ゔっ…それはごもっとも…









だけど、ね？少しだけ優しくさせて」






お願い、とおねだり風に言ってみるとマチはそれに弱いのか、ぐぬ…と悶絶していた。
そんなマチが可愛くてつい頬が緩んでしまうのだ。

買うべき食材は大体買ったので、私たちはアジトへと向かった。

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